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NEC、'99年3月期決算を発表----1579億円の大幅赤字へ転落

1999年05月28日 00時00分更新

文● 編集部 白神貴司

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日本電気(株)は28日、都内で記者会見を開催し、同社の'99年3月期決算を発表した。それによると、グループ全体の業績を示す連結決算では売り上げが4兆7594億円(対前年比2.9%減)で、経常利益は31億円(同98.4%減)となった。純損益は1579億円と大幅な赤字を計上した。

また、単独決算では売り上げが3兆6864億円(対前年比9.5%減)、純損益は1402億円の赤字となっている。営業利益の減額が著しく、前年比で98.6%減の11億円となった。

決算報告を行なう松本滋夫取締役。大幅な経常赤字に「はなはだ不本意」とコメントした
決算報告を行なう松本滋夫取締役。大幅な経常赤字に「はなはだ不本意」とコメントした



赤字の最大の要因として、米パッカード・ベルNEC社の連結子会社化にともなう支出などを含む、合計2384億円にものぼる特別損失を計上したことを挙げている。また、国内景気の低迷、アジア・中南米の経済危機による需要減少、急激な円高の進行、DRAMの価格下落、ロジックICの需要減など複合的な要素もあって経常利益の大幅な減少を招いたとしている。

会見では今年度の業績予想についても発表した。それによると、売り上げは6%増の5兆500億円、純損益は250億円の黒字をめざすとしている(いずれも'99年3月期決算比)。

同社の松本滋夫取締役は、「'98年度は、設立以来と言ってもいいほど、はなはだ不本意な決算となった。エレクトロニクス産業全体の経済不況の影響を受けたことは否めない。また、NEC自身の問題として、米パッカード・ベルNEC社の連結子会社化が大きく足を引っ張った形だ。だが、'98年の下期にコンシューマ向けを中心としてパソコンの売り上げが伸びており、この成長は今年度も続くと予想している。明るい兆しも見えている」とコメントした。

同社では、リストラ、経費削減をさらに進めて、'99年度はなんとしても売り上げ、利益とも増加を達成したい考えだ。

【関連記事】NEC、'98年度業務予想を下方修正、リストラを発表
http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/990219/mrkt03.html

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