ロータス(株)は、モバイル環境で『ノーツ/ドミノ』の複製機能を高速に行なう、『ドミノ
モバイル サーバー R1.0』を発表した。携帯電話やPHSを介して『ドミノ
サーバー』とデータ通信を行なう際、従来に比べ50~70%スピードが向上しているという。価格はサーバー側1ライセンスにつき26万円、クライアント側1ライセンスにつき4500円で、30日に発売予定。
このソフトウェアは、ドミノ サーバー(『ロータス ノーツ ドミノ
R4.6x』)に追加して使う『ドミノ モバイルサーバー R1.0』と、ノーツクライアント(『ロータス
ノーツ R4.5x/R4.6x』)に追加する『ノーツ モバイル プラス R1.0』から構成される。
ドミノ モバイル サーバー R1.0では、携帯電話やPHSのプロトコルであるPDC(通信速度9600bps)、DoPa(同2万8800bps)、PIAFS(同32Kbps/64Kbps)それぞれにおいて、最適なデータサイズにパケット化して送信を行なう。そのため、通信中に回線が途絶えた場合でも、途中からの再送信することが可能となっている。通信障害が発生したり、回線が切断された場合は、データ復旧と自動再接続する機能も備える。また、サーバーとクライアント間のデータ通信は圧縮され、通信データ量も従来よりも削減される。
NTTドコモの常務取締役モバイルコンピューティングビジネス部長の進藤秀一工学博士 |
この通信技術は、NTT移動通信網(株)(NTTドコモ)との共同開発によるもので、ドミノ
モバイル サーバー R1.0には、NTTドコモの技術を採用した優れた製品に適用される『DoCoMo
Value』ブランドが適応される。このDoCoMo Valueブランド認定は今回が第1号となるという。
マーケティング本部藤村厚夫部長 |
ロータスのマーケティング本部の藤村厚夫部長によると、「'97年末に約400万だったノーツ/ドミノユーザーは、‘98年末で約655万」に増えているという。また、ノーツを導入している企業のうち「31パーセントのユーザーがモバイル環境を構築しており、その3分の2(全体の2割)がノーツを利用したモバイル環境を構築している」という。「ノーツでモバイル環境を構築しているユーザーのうち、95パーセントはノートパソコン+ノーツクライアントという環境で、業務としては電子メールよりも販売・営業支援としてのニーズが高い」ということで、「今後さらなる成長が見込める移動電話市場とともに、ノーツ/ドミノのモバイル環境での利用が増えると期待している」と述べた。
また、このR1.0で培った技術を元にR2.0を開発中であることも明らかにされた。Windows
95/98/NTだけでなく、Windows CEやザウルスやWorkPadにもノーツクライアントのサブセット機能を提供し、プラットフォームを拡大していくとのことだ。また、これらの携帯情報端末からメールやアドレス帳だけでなく、任意のデータベースやアプリケーションにアクセスできるようにもしていくという。投入時期としては今年の第4四半期から来年第1四半期を予定している。