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日本の3大ゲームメーカーを中心に眺めたE3

1999年05月21日 00時00分更新

文● 吉田三恵子

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世界最大のゲームショー“エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ(Electronic Entertainment Expo)”、通称E3が、5月12日から15日まで、ロサンゼルス、ダウンタウンのコンベンションセンターで開催された。今年の出展社数は400社を超え、来場者は5万5千人で、来場者数を昨年に比べると33パーセントも増加している。E3の模様を、CGクリエーター、吉田三恵子の寄稿で報告する。

子供は入れないゲーム展示会

E3が開催されるようになって今年で5年目になるが、今ではインタラクティブエンターテインメントの動向を知る上で最も重要なショーとなっている。コンピューターハードウェアやネットワーク、オンラインシステムの応用技術のリサーチなどを目的とした、他業種からの注目度も高くなってきている。今年も、北米では最大の消費が見込まれる年末のクリスマス商戦に向けて、テレビとPCゲームの約1900タイトルがラインアップされた。

E3会場内の各社のディスプレーは、ゲームセンターのようにカラフルである。人気キャラクターのコスプレや“ぴかちゅう”の着ぐるみが歩き回り、アミューズメントパーク的な雰囲気がある。E3会場の入り口には、“プリンスオブペルシャ3D”のプロモーションに、ペルシャ風衣装をまとった女性とスナップショットを撮るための列ができている。人々は会場の至る所でアクションやスポーツゲームに興じ、新世代のコンシューマーゲーム機や最新ネットワークゲームなどが紹介される。

しかし、日本のゲームショーのように家族連れや小・中・高校生らしき人を見かけることはない。E3は、ゲーム業界関係者のためのトレードショーであるため、基本的に、一般および18歳以下の入場は認められていないのである。会場の外には、任天堂の宣伝カーが置かれ、子供たちがゲームで遊ぶ姿が見うけられた。

任天堂の『スターウォーズ・エピソード1/レーサー』

任天堂は、次世代ゲーム機の“ドルフィン”(コードネーム)の開発を発表している。松下電器との開発提携で、ネットワーク機能搭載のDVDフォーマットの次世代ゲーム機を2000年末に発売するという予定を12日に発表した。また同日、IBM社が、この次世代ゲーム機向けに、周波数400MHzのパワーPCプロセッサーのカスタムデザインおよび製造を受け持つと発表している。

任天堂オブ・アメリカのフロアーは、来場者が必ず通るウェストホールの一番手前に構えている。メインシアターでは、アメリカで5月19日に公開された『スターウォーズ・エピソード1/ファントム・メナス』(ジョージ・ルーカス監督)の予告編を上映している。それとともに、米ルーカス・アーツ・エンターテインメント社の制作した『スターウォーズ・エピソード1/レーサー』を紹介し、好評を博していた。

このゲームは、Nintendo64に対応したレーシングゲームで、スターウォーズの銀河系世界を舞台に、主人公アナキン・スカイウォーカーと20以上ものキャラクターが登場している。音楽にも映画『スターウォーズ』からの楽曲を使用している。スターウォーズの世界をインタラクティブに堪能できるこのタイトルは、アメリカで5月に発売が予定されている。

その他の注目タイトルとしては、3Dアドベンチャーゲーム『ドンキーコング64』や『スーパーマリオ64』、バトルゲーム『ポケモンスタジアム2』、カメラアクションゲーム『ポケモンスナップ」とポケモン関連グッズなど、他社に比べると非常に強いキャラクターを持つ任天堂を改めて印象づけた。また、カラー液晶画面『ゲームボーイカラー』も紹介された。

ソニーブースでは『FF VIII』中心に人だかり

ソニー・コンピュータエンタテインメントのフロアは、ウェストホールのほぼ中央に位置する。同社は、128ビットCPUと描画プロセッサーにより、映画の品位に近い画像をリアルタイムに生成することができるという『プレイステーション2』で注目を浴びている。フロアの中心ブースの2階に、スクウェアのロールプレイングゲーム『ファイナルファンタジーVIII』(FF VIII)の専用スペースを設けていた。ここでは、『FF VIII』のムービー映像のミニシアターを中心として、ゲームプレーのできるデモコーナーに常時多数の人だかりが見られた。

また『クラッシュバンディクー』や人気キャラクター“ララ クロフト”演ずる『トゥームレイダー』をはじめ、ソニー・コンピュータエンタテインメントのフロアーには多数のタイトルが展示された。サードパーティーを含めて、アクション・アドベンチャー、戦略・パズル、レーシング・スポーツなどのタイトル群である。また、北米では9月に出荷が予定されている小型PDA『ポケットステーション』も紹介された。

セガの『FloiganBrothers』や『Ecco The Dolphin』

セガのフロアーは、ソニー・コンピュータエンタテインメント社に隣接したウェストホールの後方に広く場所をとっている。ネットワーク機能を標準装備した『ドリームキャスト』は既に日本では発売されている。セガ・オブ・アメリカでは12日に、『ドリームキャスト』について発表した。米国で今年9月9日、56Kbpsモデムを搭載した『ドリームキャスト』を199ドルで発売するというのである。

究極のゲームマシンと自称する『ドリームキャスト』用に今回紹介されたタイトルは40以上に上った。注目されるタイトルには、アメリカで人気の高いセガのオリジナルキャラクターソニック」の3Dアドベンチャーゲーム『ソニックアドベンチャー』やメガヒットゲーム『バーチャファイター』シリーズの開発者による『シェンムー』がある。『シェンムー』では、500以上ものキャラクターと1000ものロケーションが用意されるという。セガ・オブ・アメリカではまた、人工知能技術を採用した3Dアクションアドベンチャーゲーム『FloiganBrothers』や海面下の世界をリアリスティックに描く『Ecco The Dolphin』(仮称)のリリースを発表した。

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