富士写真フイルム(株)は、デジタルカメラ"FinePix"シリーズの新製品として、150万画素CCDを搭載し薄型デザインの『FinePix1500』、230万画素CCDと光学3倍ズームレンズを搭載した『FinePix2900Z』を発表した。
FinePix1500
『FinePix1500』 |
左から、シルバーメタリック、ミントグリーン、ジューシーオレンジ |
FinePix1500は、新開発の2.2分の1インチ正方画素原色CCD(総画素数150万、有効画素数131万)を搭載し、アルミ合金製の薄型ボディーを採用した製品。同社によれば、150万画素クラスのCCDを採用したデジタルカメラで、世界最小、最軽量を実現したという。本体カラーは3色が用意されている。価格はすべて6万2800円で、6月22日発売予定。
撮影にあまり慣れていないユーザーでも、最適な構図で撮影できる"ベストフレーミング機能"を持つ。これは、撮影時に液晶ディスプレー上に、線によるフレーム枠を表示し、ユーザーは被写体をそのフレーム枠にあわせて撮影することで、バランスの良い構図での撮影ができるというもの。縦横3分割フレーム、記念撮影フレーム、ポートレートフレームの3種類が用意されている。
また、インクリメントP(株)製のパソコン用地図ソフト『MapFan IV』の地図データから、任意の部分を切り出してスマートメディアに保存し、FinePix1500の液晶ディスプレーで表示させることができる"マップビューワー機能"を持つ。撮影した画像ファイルに緯度/経度情報を記録できるので、MapFan
IVに取り込んで地図上に撮影画像を表示可能。さらにパイオニア(株)製のカーナビゲーションシステムで、この位置情報を元に撮影した場所の地図を呼び出したり、撮影した画像を表示することができる。
FinePix2900Z
『FinePix2900Z』 |
FinePix2900Zは、2分の1インチ正方画素原色CCD(総画素数230万、有効画素数219万)と、8群8枚で構成されるEBCフジノン光学3倍ズームレンズを搭載している。このレンズは前群全面マルチコーティングされており、フレアーやゴーストが低減しているほか、レンズ歪みも-0.2パーセント以下に抑えられているという。また、デジタル2.5倍ズームと合わせて、最大7.5倍のズームが可能となっている。価格は9万9800円、6月22日発売予定。
画像撮影では、シャッター速度、絞り、ホワイトバランス、フォーカスのそれぞれを自由に設定可能なマニュアル撮影が可能。2段階(F8.0、F4.0)の絞り値による絞り優先AE撮影も可能。ホットシューを搭載し、外部ストロボとシンクロ撮影ができる。オプションのアダプターリングを装着することで、ワイドコンバージョンレンズや、各種光学フィルターを使用できる。FinePix1500に採用されている、"ベストフレーミング機能"、"マップビューワー機能"は共に備える。
FinePix2900Z、FinePix1500の主な仕様を表に示す。
製品名 |
FinePix2900Z |
FinePix1500 |
撮像素子 |
2分の1インチ正方画素インターライン方式原色CCD(約230万画素) |
2.2分の1インチ正方画素インターライン方式原色CCD(約150万画素) |
レンズ |
EBCフジノン光学式3倍ズームレンズ |
フジノン単焦点レンズ |
記録メディア |
スマートメディア(3.3V) |
← |
記録画像ファイル |
DCF準拠(Exif Ver.2.1 JPEG準拠/TIFF-YC(非圧縮))、DPOF対応 |
DCF準拠(Exif Ver.2.1 JPEG準拠)、DPOF対応 |
記録画素数 |
1800×1200/1280×1024(拡大撮影、リサイズ時のみ)/640×480ピクセル |
1280×1024/640×480ピクセル |
撮影感度 |
ISO125相当 |
← |
焦点距離 |
f=7.4~22mm(35mmカメラ換算35~105mm相当) |
f=6.6mm(35mmカメラ換算38mm) |
撮影可能範囲 |
25cm(マクロ)~無限大 |
10cm(マクロ)~無限大 |
シャッター速度 |
3秒~2000分の1秒 |
4分の1~2000分の1秒 |
絞り値 |
F3.3~5.0 |
F2.6/F7.2 |
露出補正範囲 |
-0.9EV~+1.5EV |
← |
液晶ディスプレー |
2インチ低温ポリシリコンTFTカラー(13万画素) |
1.8インチD-TFDカラー(11万画素) |
電源 |
リチウムイオン充電池NP-80 |
単3ニッケル水素充電池×2 |
撮影可能枚数 |
約80枚(液晶ON)/約200枚(液晶OFF) |
約110枚(液晶ON)/約400枚(液晶OFF) |
サイズ |
幅129.5×奥行き59.8×高さ68.5mm |
幅104×奥行き31×高さ69mm |
重さ |
約385g(バッテリー、スマートメディア込み) |
約250g(バッテリー、スマートメディア込み) |
ピクチャータームPT-10、デジカメ色一番
富士写真フイルムでは、FinePic1500、FinePix2900Zの発表に合わせて、2つの製品を発表した。『ピクチャーターム PT-10』 |
『ピクチャーターム PT-10』は、デジタルカメラで撮影してスマートメディアに保存した画像ファイルを、デジタル携帯電話やアナログ公衆回線を通じて送信したり、受信したりすることができる製品。単3型乾電池2本で動作し、アナログモデムカード使用時33.6Kbps、デジタル携帯電話カード使用時9600bpsでのデータ送信が可能。通信プロトコルは同社独自のHT通信プロトコルと、ZMODEMに対応する。直接送受信のみに対応しているので、インターネットやEメールでのファイル送受信はできない。価格は3万2800円で、6月29日発売予定。
『デジカメ色一番 for Windows 98/95 Version1.0』は、デジタルカメラで撮影した画像を補正し、カラープリンターなどできれいな出力が得られるというソフトウェア。画像ファイルの管理機能も持つ。動作環境はWindows
95/98/NT 4.0、対応する画像フォーマットは読み込みがJPEG/GIF/FlashPix/PhotoCD/BMP、出力はJPEG/BMPとなっている。価格は8500円で、6月22日発売予定。
「ユーザーのデジタルカメラを選ぶ基準は、まず高画素数、次に光学ズームの有無、レンズまわりのカメラ機構の3つになってきた」と語る富士写真フイルム取締役、営業本部長の今井祐氏 |