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シーラス・ロジック、DVDオーディオ再生向けの新型オーディオチップを発表

1999年05月18日 00時00分更新

文● 編集部 原武士

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シーラス・ロジック(株)は、東京・新宿でオーディオDSPチップの新製品『CS49300』の記者発表会を開催した。CS49300は、DVDプレーヤー市場をターゲットにしたオーディオ・デコーダー機能を搭載するチップ。圧縮したデータを劣化せずに再生するMLP(Meridian Lossless Packing)オーディオ圧縮規格と、DVDオーディオ規格(PCM、MPEG、Dolby Digital、DTS)に対応している。2つのDSPプロセッサーを搭載しており、出力チャネルは8チャネル、出力分解能は24bit、最大再生周波数は192kHz。

0.24μm配線技術の採用によりコア部分を小型化し、オンチップで64KBのROMと8KB×24個(192KB)のRAMを搭載する。チップは44ピンPLCC(30mm角)パッケージ。価格は1万個単位出荷時の単価で15ドル(約1800円)。サンプル出荷は既に開始しており、今年の夏に量産出荷を開始する予定。

同社では、この製品に対して、DVDプレーヤーだけでなく、MP3再生用のポータブルオーディオプレーヤーやパソコン用サウンドボードへの利用を見込んでいるという。

米シーラス・ロジック社、社長兼最高経営責任者のDavid D.French(デヴィッド・フレンチ)氏はシーラス・ロジックの、全世界における今後の戦略について次のようにコメントした。



「インターネットは非常に急速な勢いで成長している。それに関わる、MP3プレーヤーやストリーミングムービープレーヤーなどのアプリケーション分野は成長が期待できる。シーラス・ロジックの強みは、技術力のある人間の多さと、幅広い知識を持っている点だ。他の半導体関連の会社で、我が社に匹敵する開発力を持つ会社はないと思っている。この技術の強みを生かしてストレージ、データコンバーター、オーディオICの3つの分野に焦点をあてた戦略を展開している。世界的に市場占有率を高めたいと考えている」

続けて、社長兼日本市場開発担当副社長のRobert V.Dickinson(ロバート・ディッケンソン)氏が、日本における現状についてコメントした。



「シーラス・ロジックにとって日本が主要な市場であることは間違いない。我が社の日本市場における焦点は3つある。まずはHDDなどの“マグネティック・ストレージ市場”、次はCD-ROMやDVD-ROMなどの“オプティカル・ストレージ市場”、そして最後はコンシューマー向けのオーディオ・ヴィジュアルとインターネット用“ICデバイス市場”。ここ数年間で、全体的なシーラス・ロジックのビジネスの中で、日本の占める割合が大きくなってきた。'93年は全体の5パーセントだったものが、'96年には20パーセントに成長した。今年は30パーセントに達すると見込んでいる」

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