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【INTERVIEW】元ソフマップの副社長がDOS/Vパーツショップ“ワンズ”をオープン--ワンズ鈴木代表取締役に聞く

1999年05月14日 00時00分更新

文● 編集部 綿貫晃

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元ソフマップ副社長の鈴木礼氏が4月3日、大坂の日本橋にDOS/Vパーツショップ“1's(ワンズ)”をオープンした。オープン1ヵ月後の動きを、ワンズの鈴木礼代表取締役にインタビューした。

T-ZONE日本橋店、PC/Xタウン・コア店の近くに位置するワンズ T-ZONE日本橋店、PC/Xタウン・コア店の近くに位置するワンズ



1番を評価してもらえる項目がたくさんあれば“1's”

--名前の由来は?

「名前の通り、日本で1番のパーツショップになることを目指して付けました。“1's”と複数形になっているのは、顧客満足度や従業員満足度など、いろんな意味で1番になるという願いを込めています」

--店舗の内容は?

「1階がDOS/Vパーツフロア。2階は5月中にできる予定ですが、中古パソコンを販売します。3階は事務所になっています。各フロア65平方メートルです」

--店のコンセプトは?

「日本橋のDOS/Vパーツショップを、10万円で何を作れるか1件1件訪ねて回ったのですが、どこのお店も応対が悪いと感じました。安いだけで、接客をしていない店がほとんどです。現在のパーツショップは、10数年前のパソコン黎明期時代と変わらず、パーツの詳しいマニア向けにだけ販売していました。ワンズでは接客と保証に力を入れ、決して売りっぱなしではなく、最初から最後までしっかり面倒を見ていきます。これが店のコンセプトです」

「店員を指名するお客様が多い」

--お客様の反応は?

「宣伝広告は一切やっていませんが、口コミでお客様の数は着実に増えてきています。マニアの方々はもちろんのこと、ミドルユーザーからエンドユーザーまで幅広いお客様が見えるようになりました。相談してくるお客様では、パーツを1つずつ選んで、本体1台分のパーツを買っていくお客様が多いのです。今までのパーツショップではあまりない、店員を指名してくる人も多く、店員1人ひとりが顧客を持っています。組み立てを完成したことやクロックアップの成功を逐一電話してくる人も多いです」

「今までのパーツショップに不満足な人は、ぜひ足を運んで欲しい」という鈴木代表取締役
「今までのパーツショップに不満足な人は、ぜひ足を運んで欲しい」という鈴木代表取締役



--他店舗との差異化は?

「接客と保証が1番の差別化です。他にもアイデアはいっぱいあるのですが、まだ実現できていないことが多いです。今後、1つずつ実現していくつもりです」

--今後のDOS/Vパーツビジネスは?

「この2~3年がピークだと考えています。ただ、パーツショップを始めてから感じたことは、パソコン作りは“趣味”だということです。プラモデルみたいに作るのが楽しいもので、はやりすたりには関係ないと感じてきました。パーツが安い高いだけでなく、純粋に速さやスペックを求める人も多くいます。今後、パソコンは家電化していくと思いますが、“趣味”としてパーツビジネスの世界は残っていくと思います。おそらく、家電的なものと自作的なものと2分化していくでしょう」

--DOS/Vパーツビジネスを今後も続けていく予定ですか?

「商売が面白くてやっているので、特にパーツビジネスだけにこだわっているわけではありません。自分の存在意義のために、価値観を見いだせれば他のこともやりたいと思っています。人をだましてまで儲けようとか、儲けが出るなら何でもやるようなことはしたくありません。あくまでも、お客様がワンズに満足していただければよいと思っています」

クリエイティビティーがポイント

--多店舗展開は考えていますか?

「もちろん考えていますが、無理に背伸びをしようとは思っていません。まずは、この店を軌道に乗せて、堅実に進んでいくつもりです」

--パソコン業界はどうなっていくと思いますか?

「ハードメーカー次第だと思っています。ソニーのように、もっとクリエイティブなことをしていかないと、ハードメーカーは淘汰されていくはずです。本体を売るだけではなく、実際の使い方をもっと提案していくべきでしょう。売る側としても、CPUの性能が上がったとか速くなっただけでは、もう差別化できなくなってています。ソフトメーカーさんはハードメーカー以上に、もっとクリエイティブにならなければいけないはずです。今のままでは、パソコンが特別新しさを感じるほど変わるとは思いません」

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