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ローランドがMIDI音源モジュールの最上位モデルを新ブランドで発表

1999年05月14日 00時00分更新

文● 浅野純一

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ローランド(株)が13日、新製品商談会を開催、多くの新製品を発表した。このイベントは新製品発表の場としてだけでなく、流通や販売業者も招待される商談の場として同社にとって重要なもの。今回はおよそ2年ぶりにコンピューターミュージック用の音源モジュールが発表されるとあって、多くの参加者を集めた。

発表会には、メディアのほか多くの流通・販売関係者が集まった
発表会には、メディアのほか多くの流通・販売関係者が集まった


最大の注目はその新音源、SoundCanvasシリーズの最新モデル『SC-8850』だ。これまでの最上位モデルだった『SC-88Pro』の上位に位置付けられるもので、主な特徴は3つ。まず、同時発音数が128ボイス/64パートに拡張された。従来は64ボイス/32パートだったのが倍に増えたことになる。64パートは4つのMIDIチャンネルを使ってドライブする。

 注目の新音源『SC-8850』。シャンパンゴールドカラーの筐体を採用している。会場では新G3マックでドライブされていた
注目の新音源『SC-8850』。シャンパンゴールドカラーの筐体を採用している。会場では新G3マックでドライブされていた



2つ目は内蔵音色数が1640音色/63ドラムセットに増えたことだ(SC-88Proが1117色/42ドラムセット)。特に音色が注目されるピアノやストリングスはステレオサンプリングされたデータを用意、従来よりもクオリティの高いよりリアルな音色での演奏が可能だ。映像のBGMとしてもフィットするようにさまざまな効果音も追加されている。また、先日正式に決定したGM2規格(General MIDI System level2:異なるメーカーの音源でもMIDIデータを同じように再生できるよう定められた仕様)にも対応済みだ。

SC-8850には従来のシリアル端子のほか、MIDI音源モジュールとしては初めてUSBが標準で搭載されている。iMacやG3マックにダイレクトに接続できる唯一の音源
SC-8850には従来のシリアル端子のほか、MIDI音源モジュールとしては初めてUSBが標準で搭載されている。iMacやG3マックにダイレクトに接続できる唯一の音源



3つ目はUSBインターフェースを標準で搭載したことだ。同社は昨年、USB端子を備えた初めてのオーディオデバイス『UA-100』を発表しているが、音源モジュールにUSBが搭載されるのはこれが世界初の製品になる。iMacや新G3マック(通称青白マック)とダイレクトに接続できるだけでなく、USB接続時にはUSBの高速なデータ転送能力を利用して、SC-8850のリアパネルにある2系統のMIDI端子を外部音源コントロール用のMIDIインターフェースとして使うことができる。つまりSC-8850自体で4ポート、外部2ポートの計6ポートを同時にコントロールできることになる。

サイズは2U・ハーフラック。従来よりも大きくなった。グラフィックの表示もできる大型のLCDパネルとデータ入力に便利なボリュームが追加された。左上に新ブランドのロゴが見える
サイズは2U・ハーフラック。従来よりも大きくなった。グラフィックの表示もできる大型のLCDパネルとデータ入力に便利なボリュームが追加された。左上に新ブランドのロゴが見える


サイズは2Uハーフラック。シャンパンゴールドの筐体カラーは同社では初めて。価格は9万9800円で、5月下旬から店頭に並ぶ予定だ。

 新音源の登場に合わせて『ミュージ郎』シリーズも一新。パッケージも新しくなった
新音源の登場に合わせて『ミュージ郎』シリーズも一新。パッケージも新しくなった



 新しいミュージ郎シリーズのシーケンスソフトは、従来のケークウォークシリーズに変わり『Singer Song Writer5.0』が同梱される
新しいミュージ郎シリーズのシーケンスソフトは、従来のケークウォークシリーズに変わり『Singer Song Writer5.0』が同梱される


SC-8850の登場にあわせて、同社の音楽パッケージ『ミュージ郎シリーズ』のラインナップも一新されたほか、シーケンスソフトの『ケークウォークシリーズ』の新製品、DirectX対応のオーディオプラグインソフト『AudioFXシリーズ』も同時に発表された。

 DirectX対応のオーディオプラグインソフト『AudioFXシリーズ』。1はコンプレッサーやリミッターなどのダイナミクス系、2はアンプやテープシミュレーター、3はリバーブの効果をそれぞれソフトウェアで実現する
DirectX対応のオーディオプラグインソフト『AudioFXシリーズ』。1はコンプレッサーやリミッターなどのダイナミクス系、2はアンプやテープシミュレーター、3はリバーブの効果をそれぞれソフトウェアで実現する


また、このイベントで同社は新しいブランド名“ROLAND ED”を発表。シンセサイザーなどの“ROLAND”、オルガンの“RODGERS”、エフェクターの“BOSS”、デジタル機器の“ROLAND DG”に続く、コンピューターミュージック用のブランドとして今後浸透を図る模様だ。

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