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日本HP、SANを実現するエンタープライズ向けストレージ新製品などを発表

1999年05月12日 00時00分更新

文● 編集部 白神貴司

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日本ヒューレット・パッカード(株)は11日、記者会見を開催し、エンタープライズ向けのストレージ製品のアーキテクチャーおよび新ラインナップなどを発表した。

今回は、SAN(Strage Area Network)(*)を実現するためのストレージアーキテクチャー“HP Equation”、同アーキテクチャーを実装するストレージ製品の新ラインナップ『HP SureStore E』、コンサルティングサービスなどの開始が発表された。

新ストレージアーキテクチャー“HP Equation”

“HP Equation”は、HPが提唱する次世代インターネットコンピューティング戦略“E-Service”を実現するためのオープンストレージアーキテクチャー。

ディスクアレイなどのハードウェアや、ファイバーチャネル対応のスイッチングハブ、ストレージ管理ソフトウェアなど、SANの構築に必要な要素をトータルで提供する。サービスには、災害時の復旧や高可用性の実現のためのサポートシステムの構築なども含まれる。

ディスクアレイ装置『HP SureStore E ディスク・アレイ MC256』

今回の発表は、エンタープライズ向けのハイパフォーマンスディスクアレイ装置『HP SureStore E ディスク・アレイ MC256』が中心となる。同製品は、HPの新ストレージアーキテクチャー“HP Equationアーキテクチャー”を実装したストレージ製品群の新ブランド『HP SureStore E』シリーズの最初のものとなる。

『HP SureStore E ディスク・アレイ MC256』
『HP SureStore E ディスク・アレイ MC256』



『HP SureStore E ディスク・アレイ MC256』は15GB(毎分1万2000回転)または36.9GB(毎分6300回転)のディスクを最大256基内蔵可能で、60GB~最大9TB(テラバイト)のストレージを構築できる。キャッシュメモリーはミラー化されたものを最大で16GB搭載する。

ファイバーチャネルは、SCSI、Ultra SCSI、ESCONポートを32基装備する。サポートするプラットフォームは、HP-UX10.20/11.0、Solaris 2.5.1/2.6、AIX 4.2/4.3、Windows NT4.0、HP MPE IX 5.5。メインフレームでは、日本アイ・ビー・エム(株)、(株)日立製作所、富士通(株)製のシステムに対応する。出荷開始は5月下旬で、価格は6300万円から。同社では、今後1年で200台の販売を目指すという。

SAN対応ファイバーチャネルスイッチ『HP SureStore E スイッチF16』

本製品は、SAN(Strage Area Network)向けのファイバーチャネルスイッチ。複数のOS環境で稼動するストレージを最大16基接続し、集中して管理することが可能となる。ファイバーチャネルプロトコルはFC-PHで、半2重で約1GB、全2重で約2GBのデータ転送速度を持つファイバーチャネルポートを16ポート実装する。電源は筐体内で2重化している。出荷開始は5月下旬、価格は800万円からとなる。今後1年間で100台の販売目標を設定している。

『HP SureStore E スイッチF16』
『HP SureStore E スイッチF16』



『HP SureStore E スイッチF16』でSANを管理するためのストレージ管理ソフトウェア『HP SureStore Eストレージ・ノード・マネージャ』もあわせて発表された。これは、SANにおけるストレージデバイスやスイッチなどの検出やマッピング、監視を行なえるソフトウェア。システム管理者は、ブラウザー上からオンラインでSANの状態を監視し、障害部分の切り離しなどが行なえる。出荷時期は7月で、プラットフォーム、価格など詳細は未定。


オープンストレージ環境構築コンサルティングサービス

同社は、大規模オープンストレージシステム構築のコンサルティングサービスを提供することもあわせて発表した。これは、SAN構築の際のデザインや、各ノードのストレージ容量のプランニング、電話によるサポートやオンサイトによる修復、復旧サービスを提供するというもの。運用時のバックアップやストレージシステムのパフォーマンスチューニングなどのメニューが用意されているという。

サービス提供開始は14日で、価格は個別見積もりによる。

同社エンタープライズ事業統括本部長の飯塚雅樹氏は「企業のIT(情報技術)関連の投資は、現在サーバーなどハードウェアに偏っているが、これが2000年以降には徐々にストレージ分野へシフトすると予想している。今後はこの分野にも注力する」と語った。

注)SAN:ネットワーク構築のための概念。LAN環境でのクライアント/サーバーの図式をストレージデバイス中心に置き換えたもの。共有されたストレージデバイスネットワークには複数のクラスターサーバーが接続し、クライアントは同サーバーを通じてデータにアクセスできる。クライアント/サーバーの環境とは異なり、データは個々のサーバーに蓄えられないため、1つのサーバーがクラッシュしても、他のサーバーを通じてストレージデバイスにアクセスすることができ、システムの信頼性を高めることが可能になるという。

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