アップルコンピュータ(株)は11日、同社の最新OS『Mac OS 8.6』を発表した。Mac
OS 8.6は、Mac OS 8.5の安定性と信頼性を高め、“Sherlock”や“AppleScript”、“ColorSync”といった各種機能の向上を図り、さらにFireWireやUSB、DVD-RAMなど最新のデバイスをサポートするものだ。
Mac OS 8.6の単独パッケージは存在せず
Mac OS 8.6は、現在、米国カリフォルニア州サンノゼにおいて開催されているWWDC(ワールドワイドデベロッパカンファレンス)の基調講演において、同社暫定CEO(最高経営責任者)、スティーブ・ジョブズ氏が紹介したもので、Mac OS 8.5に引き続き、各国語版の世界同時発表、同時配布を実現した。Mac OS 8.6は、パッケージ販売は行なわず、発売中のMac OS 8.5を更新するアップデーター“Mac OS 8.6 アップデータ”として、もしくは各種アップデートプログラムを通じたフルインストールCD-ROMの実費配布という形で提供される。“Mac OS 8.6アップデータ”は、本日よりアップルのホームページから無償で配布される。また、“Mac OS 8.6 アップデータ”を収録したCD-ROMは2500円(発送手数料込、税別)で配布される。
同社広報によれば、「現在、パッケージ販売を行っているMac OS 8.5は、継続して販売します。“Mac OS 8.6 アップデータ”のCD-ROMを店頭で販売することも予定していません」ということだ。
“Sherlock”のインターフェースを改善、AppleScriptとColorSyncはインターネット機能を強化
Mac OS 8.6においては、Mac OS 8.5に対し、以下のような改善がなされた。Mac OS 8.5から搭載された検索システム“Sherlock”は、インターフェースが改善され、“インターネット検索”画面のリサイズ機能や、検索サイトの指定をすべて解除するボタンが装備された。検索結果の保存が可能となったことで、ウインドーを閉じた後も、検索結果を再び参照することが可能となった。また、同時にアクセスできる
検索エンジンの数が20以上に増え、ファイアウォールを超えたインターネット検索が可能となった。“内容で検索”では、新たにHTMLファイルとPDFファイルが検索対象に加わった。また、索引付けをボリューム単位だけでなく、フォルダ単位でも行なうことが可能となった。
AppleScriptは、インターネット上の資源にアクセスすることが可能となった。例えば、FTPサイトからファイルを自動的にダウンロードしたり、Webサイトに掲示されている株価情報のチェックを自動化するなど、ブラウザーを使わない情報収集が実現できる。
また、アップデートされたColorSyncは、AppleScriptとの連携が強化された。またJPEGおよびGIFフォーマットの画像に対応したことで、インターネット上でも正しい色を自動的に管理できるようになった。
パワーマネージメント機能が強化された。Mac OS 8.6を使えば、PowerBook G3のバッテリーの持続時間を、従来より最大で約25パーセントも延ばせる。
Mac OS 8.6には、“Mac OS Runtime for Java 2.1.1”“ColorSync 2.6.1”といった最新コンポーネントが統合、収録されている。また、Mac OS 8.6のフルインストールCD-ROMには、“Microsoft Internet Explorer 4.5J”“Microsoft Outlook Express 4.5J”“Netscape Communicator 4.5J”が収録されている。
“Mac OS 8.6 アップデータ”の配布方法
・ホームページでの無償配付Mac OS 8.6は、Mac OSホームページからダウンロードできる。“Mac OS 8.6アップデータ”のファイルサイズは約90MBで、31のファイルに分割されており、すべてのファイルをダウンロードし、これを解凍してインストールを行う。なお、ホームページで配布する“Mac OS 8.6アップデータ”には、Mac OS Runtime for Java 2.1.1およびColorSync2.6.1は含まれない。
・各種アップデートプログラム
“Mac OS 8.6アップデータ”を収録したCD-ROM、ならびにMac OS 8.6 フルインストールCD-ROMは、下記のアップデートプログラムを通じて、アップルソフトアップグレードセンターより直接ユーザーに配布する。
“Mac OS 8.6 Updater CD”プログラムは、“Mac OS 8.6 アップデータ”を収録したCD-ROM。“Mac OS Up to Date”プログラムは、本年4月11日以降にMac OS 8.6以前のMac OSがインストールされた機種を購入したユーザーを対象にMac OS 8.6のフルインストールCD-ROMで、“Mac OS 8.5 to 8.6 CD Upgrade”プログラムは、Mac OS 8.5のユーザーを対象に、Mac OS 8.6のフルインストールCD-ROMで、いずれも2500円(発送手数料込、税別)で配布される。
