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【iWeek Vol.1】アップルユーザーの声を聞くためのページ『Tell Us』を新設--Macユーザーのイベント“iWeek”から

1999年05月06日 00時00分更新

文● 正月孝広

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Macintoshユーザー手作りのイベント“iWeek”が5月1日から4日までの4日間、大阪の大阪アメニティーパーク(OAP)の12階で開催された。関西では大阪ドームで開かれた“Mac Fan Expo'97”以来、2年ぶりの大規模なMacイベントである。“iWeek”の模様を、1日、4日、3日、2日の4本に分けてレポートする。今回は、初日について報告する。なお、寄稿者の正月氏の判断により、中立的な機種名としてのMacintosh、趣味の対象としてのMacという表記を使い分けている。

OAP全景(中央がOAP、右手前は帝国ホテル大阪)
OAP全景(中央がOAP、右手前は帝国ホテル大阪)



立野康一氏の“Macintosh博物館”を披露

OAPは、JR大阪駅からも10分ほどのロケーションで、帝国ホテル大阪に隣接する。初日はゴールデンウィークにもかかわらず、150名を越える熱心なMacファンがオープン前に詰め掛けた。このイベントへの期待の大きさを示していた。またOAP内のレストランでは、“アップルフェアー”も同時開催された。

オープン前に並ぶ熱心なMacファンの列
オープン前に並ぶ熱心なMacファンの列



イベントの構成は“展示”、“出展」”、“ステージ”、“講演会”と大きく分かれており、それぞれに魅力ある内容になっている。まず“展示”では日本有数のMacintoshコレクターである立野康一氏の『Macintosh博物館』。『AppleII』、『LisaII』から『twentieth anniversary』まで、発売当時のシステムで実際に稼働している状態での、非常に貴重な展示となった。

“Macintosh博物館”立野コレクションのAppleII
“Macintosh博物館”立野コレクションのAppleII



“Macintosh博物館”立野コレクションのLisaII
“Macintosh博物館”立野コレクションのLisaII



また、“iMac&NewG3”コーナーでは『iMac』を15台、『NewG3』を5台、すべてインターネットにつないだ状態で展示してある。実際に来場者が自由に触り、最新のMacを体験していた。

iMacの展示 iMacの展示



NewG3の展示 NewG3の展示



“よろず相談室”を開催

“出展”では、協賛各社のベンダーブースや関西を中心にした多数のUG(ユーザーグループ)が参加し、会場を盛り上げていた。



iGALも登場! iGALも登場!



期間中、UGによる“よろず相談室”が開催された。こちらの方は来場者が日ごろ、抱いているMacに関する素朴な質問から高度な質問までを、UGのパワーユーザーが実際に『PowerBookG3』を使い、丁寧に回答するというもの。期間中400名近い相談者が訪れる、非常に活気のあるコーナーであった。

“よろず相談室”の様子
“よろず相談室”の様子



“ステージ”では非常に細かいタイムスケジュールのもと、多彩な催し物が用意された。著名人のトークショーやベンダー各社によるプレゼンテーション、コンサートやUGの日ごろの活動の発表、そして連日、最後にはプレゼントタイムを設けるなど、趣向を凝らす。50席ほどの客席は常にいっぱいで、毎回立ち見が出る盛況ぶりであった。



プレゼントタイムの様子
プレゼントタイムの様子



プレゼントタイムは、毎日、ステージの最後に開催
プレゼントタイムは、毎日、ステージの最後に開催



「日本で最初にリストラを断行したアップル」

“講演会”では5月1日にアップルコンピュータ(株)社長、原田永幸氏の基調講演、2日には(株)毎日コミュニケーションズのMac Fan3誌総編集長、滝口直樹氏の講演がそれぞれ行なわれた。

原田社長基調講演会場の様子
原田社長基調講演会場の様子



講演会の会場になったのは、OAPの24階の会議室。整理券を手にすることのできた220名の来場者で早くからいっぱいになり、熱気に包まれていた。

“iWeek”の仕掛け人。左は大阪電気通信大学助教授、魚井宏高氏。右は(株)サウンドクリエーター代表取締役の鈴置雄三氏
“iWeek”の仕掛け人。左は大阪電気通信大学助教授、魚井宏高氏。右は(株)サウンドクリエーター代表取締役の鈴置雄三氏



魚井助教授は、MacのUGが主催するイベントなどで有名
魚井助教授は、MacのUGが主催するイベントなどで有名



今回の“iWeek”の仕掛け人である大阪電気通信大学助教授、魚井宏高氏の紹介により講演会は幕を開けた。アップルの原田社長は、黒のジャケットによく映えるブルーのシャツ、しかもノーネクタイというカジュアルな服装で登壇した。語り口調は非常に丁寧で、落ち着きがある。

アップルコンピュータ(株)の原田永幸社長
アップルコンピュータ(株)の原田永幸社長



最初に、ここ数年社内で進めてきたリエンジニアリングについて語った。昨年の8月29日の『iMac』発売に至るまでの数年間は、アップルらしさを取り戻すため、成長の基盤作りを徹底的に行なったという。トップマネジメント、流通、広告など、すべてを見直した。中には当然痛みを伴うこともあった。その意味では日本で最初にリストラを行なった企業であるとのこと。そして現在は、地域に偏らない、世界統一の、販売価格、広告、製造、流通などの基盤が確立している。

「アップルは、日本で最初にリストラを行った企業である」と原田社長
「アップルは、日本で最初にリストラを行った企業である」と原田社長



次に、iMacのCMが4本、会場のスクリーンに流された。これからのアップルコンピュータは、“アップルらしい文化作り”が大切であると語った。そしてiMacの“i”はinternetの“i”であり、今後もinternetでリーダーシップを取り続けることが非常に大切であると強調した。iMacは“step1”が終わったに過ぎず、これからも“新しいライフスタイル”、“新しいビジネススタイル”の提案を続けていくとのこと。これからのアップルコンピュータの展開が非常に楽しみである。

そして今回のプレゼントとして、ユーザーの意見を直接聞き入れるページのアナウンスが行なわれた。『Tell Us』と名づけられたこのページにより、アップルコンピュータに直接意見を伝えることができる。Macユーザーには、非常に嬉しいサイトの誕生である。

最後のQ&Aで、同郷長崎からの来場者の質問に、長崎の言葉で優しく答える場面もあるなど、講演は終始和やかに進んだ。米アップルコンピュータの歴代4人のCEOそれぞれに面識のある原田氏の人柄が、十二分に感じられる講演会であった。

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