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ディアイティ、企業向けのネットワーク構築に関するセミナーを開催

1999年04月28日 00時00分更新

文● 編集部 綿貫晃

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(株)ディアイティは27日、アルカディア市ヶ谷において“エンタープライズネットワークソリューションセミナー”を開催した。このセミナーは、次世代IPネットワーク構築の流れを追いながら、米国メーカーの新製品を紹介するもの。セミナーは3部構成で行なわれた。

米TimeStepのBrett Howard副社長
米TimeStepのBrett Howard副社長



暗号化技術の“IPsec v2”が年末に登場

第1部では、米TimeStepのBrett Howard(ブレッド・ハワード)副社長により、“VPN網を構築するIPSec暗号化技術最新動向”と題した講演が行なわれた。

IPSec(IP Security Protocol)とは、国際的な技術標準化団体のIETF(Internet Engineering Task Force)が定める、暗号化の標準技術。送受信されるデータをファイヤーウォールの内側で暗号化・復号させるというもの。

'98年に改定された内容については、3項目についてTimeStep社が策定に関わったという。Howard氏によると、IPSecはまだ改善の余地があり、VPN(Virtual Private Network:私設仮想回線)の技術をベースにしたIPSec v2が、年末に提案されるいう。IPSec v2ではIKE(Internet Key Exchange)を派生させた技術などを用いて、ユーザー承認を強化できると述べた。

続いてHoward氏は、IPSec暗号化を用いたネットワークセキュリティーシステムの製品として、『Permit Enterprise』を紹介した。このシステムは、暗号化装置、暗号化ソフト、認証サーバーで構成される。暗号化の標準技術IPsec、X.509、X.500など標準化技術を採用しており、IP通信を利用するアプリケーションすべてに対応するのが特徴。また、100Mbpsのスループットを持つため、リモート環境だけではなくLAN環境での使用も可能となっている。

6.4Tbpsのスイッチ/ルーターを開発

第2部は、米Nexabit networksのGene Wahiberg(ジェン・ワイバーグ)副社長により、“次世代超高速ネットワーク実現に向けての展開”と題した講演が行なわれた。

インターネットが普及するに従って通信量が増大し、回線の混雑などが問題となっていることをWahiberg氏は指摘。これを解決する方法として光ファイバーの利用をあげた。高密度光波長分割多重方式(DWDM)技術とスイッチング・システムを用いて、通信の高速化が進むという見通しを語った。また、将来の光ファイバー通信は、IP、ATM、DWDMなどの階層に分かれず、プラットフォームがいずれか1つに統合されるだろうと述べた。

ここでWahiberg氏は同社の製品で高速通信を可能とする『NX64000』を紹介。この製品は6.4Tbpsの性能を持つスイッチ/ルーターで、1つの筐体で最高192回線をサポートできるという。BGP4、OSPF、IS-IS、およびRIPといった標準のルーティングプロトコルをサポートし、サービスを続行したままソフトウェアのアップグレードが可能となっている。現在米国内でベータテストを行なっているが、出荷時期については未定としている。

ディアイティの三橋技術本部長
ディアイティの三橋技術本部長



集合住宅ではデータのセキュリティーが重要

第3部では、(株)ディアイティの三橋技術本部長による“インターネットビル構築システム”と題した講演が行なわれた。

三橋氏は、最近増えてきたインターネットマンションやインターネットサーバー共有型のビル、CATV型インターネットを例にあげ、セキュリティーが充分に守られていないと述べた。他人のPCの内容が見えてしまった集合施設の例を挙げ、セキュリティーの重要性を訴えた。

この問題を解決するセキュリティー製品として、三橋氏は同社の『SFB(Smart Filterling Bridge)』を紹介。製品はセキュリティーボックスの『SFB104』と、SFB104をコントロールするための『SMB(Segment Management Box)』、管理サーバーで構成される。『SFB104』は、集合住宅、集合オフィス、学校において、専用線を安全に共有するための装置。この装置を導入することによって、他の家庭や、事務所、教室からPCへの不正な侵入を防ぐとしている。

同製品の主な特徴は、TCP/IPのみの通過、帯域の制限機能、容易な保守管理などがあげられる。インターフェースは、バックボーン側に10Base-Tが1つ、ローカル側に10Base-Tが4つ備えており、通信速度は10Mbps。管理サーバーのコンソールは、ブラウザーでのアクセスが可能であり、遠隔地からも設定変更を行なえるとしている。講演では、実際に携帯電話を使って管理サーバーへつなげ、管理の容易さをアピールしていた。

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