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ギガ・バイト、BIOS自動修復機能をもつ新型マザーボードを発表

1999年04月28日 00時00分更新

文● 編集部 原武士

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日本ギガ・バイト(株)は27日、東京・浜松町にて、新技術を搭載するマザーボード『GA-BX2000』と、今後の戦略を発表した。

BIOSを2つ搭載する『GA-BX2000』

『GA-BX2000』は、チップセットに440BXを採用したスロット1対応のマザーボード。システムバスは66/75/83/100/112/124/133MHzで動作し、動作クロックは3倍~6.5倍の範囲で0.5倍ごとに設定できる。また、ソケットへの供給電圧は搭載するCPUを自動判別し設定する。拡張スロットは、AGPスロットを1基、PCIスロットを5基、そしてISAスロットを2基装備する。メモリーはECC SDRAMをサポートし、最大1GBまで搭載可能。BIOSは米Award Software社のAward BIOS with Enhanced ACPI Feature for PC98/Win98 Complianceを採用している。

GA-BX2000GA-BX2000



新機能としては、BIOSチップを2個搭載する“DualBIOS”と、システムのサスペンド時にシステムデータをRAMへ保存する“STR(Suspend To RAM)”が挙げられる。これらの機能は、同社が今後発売するマザーボードに順次搭載していく予定という。

・DualBIOSとは

DualBIOSとは、ひとつのマザーボードにプライマリーBIOSとセカンダリーBIOSを搭載するもの。BIOSアップデート中の操作ミスや、ウイルスによる攻撃でBIOSが損傷した場合に、セカンダリーBIOSが起動して自動的にプライマリーBIOSを修復する。

その仕組みは、起動時にBIOSの損傷をチェックし、エラーがあった場合にはエラーのあったBIOSに、もう片方のBIOS情報を上書きするというもの。BIOSを手動で切り替えることも可能で、同じマザーボードに2種類のBIOSを共存させることができる。

同社ではDualBIOSのデモとして、BIOSのアップデート中にPCをリセットして人為的にBIOSを破壊し、自動修復する様子を紹介した。起動時に“Check Sum Error”と表示され、セカンダリーBIOSからプライマリーBIOSにBIOSが自動的にコピーされ再起動した。

・STRとは

STRは、サスペンド機構を備えたWindows 98やWindows 2000と組み合わせて使うもの。システムがサスペンドモードに移行する際に、システム情報をHDDの代わりにRAMへ保存する。

STRを利用した場合、システムデータを保存する場合にHDDに比べて速い復帰が可能となる。サスペンド時の電力消費は3W程度という。サスペンドモードに入ったシステムは、電源ボタンを押す、キーボードやモデムによる呼び出しなどで復帰する。

デモでは、電源ボタンに連動してSTRが作動するよう設定したパソコンで、システムが利用できるまでの時間を計測した。電源ボタンを押しスタンバイモードに移行するのに約1秒、スタンバイモードからの復帰には約7秒でシステムが利用できるようになった。また、メモリーにデータが保存されていることを証明するために、パソコンがSTRモードに入った後、RAM以外の部分(オーディオカードやグラフィックスアクセラレーターカード、CPU、HDD)を1度すべて抜いてから差し直し、改めて起動するというデモも紹介した。

ギガ・バイトの戦略について

台湾のギガ・バイト・テクノロジー社Vice Presidentの柯聰源(Jack ko、ジャック・コー)氏は、今後の戦略について以下のようにコメントした。

ギガ・バイト・テクノロジー社のコー氏
ギガ・バイト・テクノロジー社のコー氏



「ギガ・バイトは世界中のたくさんの人たちの手によって成長している。我が社のマザーボードの主な輸出先はアメリカ。最近は北欧諸国への輸出業績も伸びている。現在、日本を含め全世界にある支店数は6。2000年には、その数を10支店に増やすつもりだ。2000年には中国、ブラジル、ロシアに工場を建築し、全世界のユーザーに対し製品を提供していくつもりだ。今年の目標は、効率良く製品をユーザーに提供することである」

続けて、日本ギガ・バイトの康清洋(Ken Kang、コウ・セイヨウ)社長が、国内における戦略について述べた。

国内での戦略を述べるコウ氏
国内での戦略を述べるコウ氏



「日本支社におけるギガ・バイトの売上は、好調とは言えなかった。日本のマーケットはどうしてこんなに厳しいのだろうかと考え、国内の企業を各社を回り、日本のマーケットの性質を研究した。その答えとして、3月に本社を大阪から東京に移転した。移転後、売上は伸びている。さらに、日本式の営業を知っている数社を、我が社の正式な代理店にしたいと思う。目標は、エンドユーザーにも商品の型番を知ってもらうこと」

コウ氏はコメントの後、正式代理店として(株)フリーウェイと(株)バーテックス リンクの2社を紹介。この両社が、国内でのギガ・バイト製品を取り扱う正式代理店となる。

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