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ピープルワールド代表取締役社長の荒川出氏、「重要なのは“価格”と“コンテンツ”」

1999年04月21日 00時00分更新

文● 編集部 西川ゆずこ

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'94年に日本アイ・ビー・エム(株)、(株)三菱商事、日立製作所(株)、(株)東芝の4社が出資して設立し(後に三菱電機(株)も出資)、'97年9月に(株)フジテレビジョンと、(株)フジミックが資本参加した(株)ピープル・ワールド。同社は、パソコン通信事業に始まり、2年前にインターネット総合サービスを開始、さらに昨年にはオンラインショッピングサイト、“ピープルモール”(旧名称:スーパーモール)を開設し、活発に事業を展開している。ピープルワールド代表取締役社長の荒川出氏に同社のサービス展開、今後の展開について、伺った。

(株)ピープルワールド代表取締役社長の荒川出氏
(株)ピープルワールド代表取締役社長の荒川出氏



インターネット総合サービスのポイントは“価格”と“コンテンツ”

――ピープルワールドでは、具体的にどのようなサービスを展開しているのですが。その戦略は?

「いくつかのインターネット接続サービス、オンラインショッピングを手掛ける会社がせめぎ合う中で、市場の競争は激化してきています。そこで当社では、出資会社であるフジテレビジョンとの連携を図り、多くのサービスがある中で、積極的に“ピープル”の持つ特徴を打ち出していきたいと考えています。そこで、重要なポイントなるのが、価格とコンテンツです」

月額500円で3時間までインターネット接続が可能な“ライトアクセス”コースを開設

――価格面での施策は?

「まず、価格に関しては、4月1日から、“ライトアクセス(月額500円で3時間まで利用可能、ホームページ登録は月額500円で5MBの容量)”を開始しました。従来のインターネット接続サービスプランの1つである“パワーアクセス(月額2500円で、接続時間が無制限、ホームページ登録は無料で15MBの容量)”に付け加えたものです。日本アイ・ビー・エムの持つネットワーク、システムのノウハウを後ろ盾にしています」

「月額利用料金を500円と敷居を低くしたことにより、気軽にインターネットを始める機会を設け、積極的にライトユーザー、初心者の取り込みを図りたいと考えています」

テレビ・地方局と連動したショッピングモールで特色を

――コンテンツ面ではいかがですか?

「次にコンテンツですが、昨年、オンラインショピングサイト“ピープルモール”(旧名称:スーパーモール)を開設しました。モールサイトとしては、後発だったのですが、市場に認知されるための仕掛けが必要でした。当社が考えたのは、ピープルでしかできない強烈な個性を打ち出していこうということです。そこで、フジテレビの番組と連動したコンテンツの提供を考えました。このテレビとの連携によるメディアフュージョンを大きな特徴としています。現在、約20店舗を開設しています」

「また、フジテレビだけでなく、全国のフジテレビ系列局の情報を発信する“FNSふるさとねっとセレクション”を開設。年内には系列局すべてが参加する予定です。ここでは、地方のローカルニュースやイベント情報などを各系列局ごとに発信するほか、地元特産品も販売します。これにより、地域性の高いインターネットを目指しています」

「今までの情報の流れは、中央集権型のものだったのですが、ここでは地方からの情報をも扱う分散型という新しい情報の流れ、流通の流れをもたらしていきたいと考えています。もちろん、フジテレビ系列だけでなく、他の放送局との連携もありえない話ではないですね」

“ネットコンビニ”的にものを購入する日も近い?

――オンラインショッピングモールの現状について、どのような見解をお持ちですか?

「オンラインショッピングモールは、確実に認知されてきています。当社でも、テレビCMを流し、ユーザーの認知度を上げる努力を図っています。米国では、昨年オンラインショッピングがブレイクし、この現象が“オンラインクリスマス”、“ネットクリスマス”という総称で語られました。この波は、日本にも近い将来訪れるでしょう。インターネットを道具として、“ネットコンピニ”的にものを購入する日も近いと思っています」

「オンラインショップには、例えば通販のような、電話オペレーターが必要なく、人件費を大きく節約できるというメリットがあります。ピープルモールの運営を通して、このメリットを実感し始めています」

――オンラインショップの運営では、どのような点に注意していますか

「テレビは大きな影響力を持つメディアです。テレビ番組と連動した商品をサイトで取り上げると、サイトを訪れるユーザー数がはね上がります。このことから、今後もテレビとの連動に焦点を当てていきたいと考えています」

「また、当社では、ただ単にサーバー上に店舗を置いて、管理するだけでなく、店の経営者と一緒に経営を考えるという形態をとっています。ですから、サイト運営を通して培ってきたノウハウ、すなわち製品の見せ方、企画、サポート、分析データのフィードバックを含め、モール運営側に集積したデータ・経営のノウハウを、店舗側にも提供し、役立てようと努力しています」

「オンラインショッピングサイトの運営は、テナント、消費者、運営者三位一体で行なっていくものです。今後も、当社のサービスに注目してください」

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