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【KNN特約 NAB'99レポートVol.2】放送を揺るがすか?“HOLLYウェブ LIVE!”

1999年04月19日 00時00分更新

文● KandaNewsNetowork、神田敏晶

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NAB'99(全米放送事業者機器展)が17日に開幕した。本日18日(米国時間)、NAB'99の新企画であった“HOLLY ウェブ!LIVE”が終了した。

“HOLLY ウェブ!LIVE”は、一応、カンファレンススタイルをとっている。しかし、NAB'99の中では、異色の“インターネットと放送”という新しい切り口のコンファレンスであった。

“HOLLYウェブ LIVE!”では、ニューメディアの現場、第一線における、生の声が聞ける
“HOLLYウェブ LIVE!”では、ニューメディアの現場、第一線における、生の声が聞ける



ネットワークとブレーンストーミングからの造語、“NetStorm”というタイプのパネルディスカッションを中心に、各セッションとも時間を大幅に超過するほどの盛況ぶりであった。主催者のアラン・ブロディー氏とアリソン・ダラー氏は、次のように語った。「NAB'99の展示会開始を前に、この新しいスタイルのカンファレンスを開催できて喜んでいます。時間の調整などが大変ですが、皆さんに喜んでもらえて幸いです。この新しいインターネット業界のハリウッド=HOLLYウェブが、次なる放送の新市場をきっと切り開くと期待しています」--。

“HOLLYウェブ LIVE!”主催者のアラン・ブロディ氏とアリソン・ダラー氏
“HOLLYウェブ LIVE!”主催者のアラン・ブロディ氏とアリソン・ダラー氏



この“HOLLYウェブ LIVE!”は、この2日間だけで、15セッションも開催された。各セッションあたりのパネリストは、4~5名にも及ぶ。登場者だけでも相当の数になる。

NetStorming“メディアコンバージェンスのためのニューモデル(New Models for New Media Convergence)”のセッションでは、米国の公共放送、PBS社のバイスプレジデント、シンディー・ヨハンソン氏が、放送局のウェブ化のモデルについてプレゼンテーションした。

「私はオンラインとは、デジタルチャンネルのことだと思うのです。今や米国のパソコンを持つ家庭の40パーセントの人が、テレビと同じ部屋にパソコンを置いているという結果が出ています。テレビとシンクロナイズした番組をデジタルチャンネルで提供し、テレビを補完し、またアクティブに視聴者がテレビに参加できるようにしたいと願うのは、当然のことだと考えます」と氏は語る。PBSのサイトでは番組ごとにていねいなウエブサイトを構築している。このことで高く評価されている。すでに180のコンテンツが存在し、全体のボリュームが6万5000ページにも及ぶ。

PBSオンラインのシンディー・ヨハンソン氏
PBSオンラインのシンディー・ヨハンソン氏



PBSは公共の放送局である。国税が20パーセント、メンバーシップが20パーセント、コンテンツ事業が20パーセントで成り立っている。こうした体制の局は、保守的になりがちだが、デジタルチャンネルとしてウェブを積極的に展開している。それは、テレビとの新たなすみわけをインターネットというメディアで確立したいからという。

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