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米マイクロソフト社、Windows 2000に関する技術説明会“Windows 2000 Reviewer's Workshop”を開催

1999年04月16日 00時00分更新

文● ライター 本田雅一

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米マイクロソフト社本拠地のレドモンドに程近い米国ワシントン州ベルビューで、現地時間の4月14日朝から、Windows 2000に関するワークショップ“Windows 2000 Reviewer's Workshop”が開催されている。昨年の“Windows NT 5.0 Reviewer's Worksshop”に続き2回目となる今回の説明会には、アジア、ヨーロッパ方面からも報道関係者が集まった。

今回のワークショップが、4月21日に“COMDEX Spring'99”会場で行なわれるという『Windows 2000 β3』リリースを前に、Windows 2000に関する情報を整理することが目的であるのは明らかだが、14日の時点でもβ3の情報を記事にすることは許されなかった。また、21日という出荷日も実際はあやふやで、同社は4月中の出荷という表現を使用している。実は先日レポートした“WinHEC”のセッションでも、配布資料には4月21日と記載されていたが、講演者の口頭での説明やプロジェクタースクリーン画面上の資料では日付が特定されていなかった。いずれにしろ、4月中にβ3出荷という予定に変わりはないようだが、速報としてβ3で追加された機能については、残念ながら現時点ではレポートできないということだ。

しかし、β3の新機能には触れないいくつかの話は、ここでお伝えすることができる。

同社によると、Windows 2000は現時点で580のOEMシステムに対応、さらにハードウェアは、プリンターを2000台、ネットワーク機器を700台、モデムを4200台、スキャナーを55台、カメラを41台までそれぞれサポートしているという。また、Windows 2000の特徴でもある多言語サポートは、134ヵ国ものロケール設定に対応し、23ヵ国のローカライズ版を投入する。基本的にOSのバイナリーは世界共通となり、効果として日本語版に対するバグ対策のスピードアップが期待できる。Windows 2000出荷後は実際にそうなることを切に願いたいものだ。

また、23の企業がWindows 2000の早期導入プログラムを実施する予定で、OEMベンダー89社がWindows 2000インストールマシン(各社合計で333モデル)をβ3の段階で出荷する。さらに、300のアプリケーションが、Windows 2000への対応を明らかにするプログラム“First Waveプログラム”に参加。Windows 2000を導入する顧客用のトレーニングに、同社は4000万ドル(約47億6000万円)もの投資を実施する。

こうしてさまざまな事実を挙げていくと、多くの読者は「Windows 2000はまだβではないのか?」という疑問を当然持つのではないだろうか。たしかにWindows 2000はβ3出荷直前の状態であり、製品化はまだ先だ。しかし、これらのことから、同社がβ3の品質にかなりの自信を持っているということがわかるだろう。

同社はセッションで「出荷の日付が目標ではない」という従来の主張を繰り返しながらも、同時に「'99年内出荷のレールに乗った」としている。主要OEMの賛同が得られる日が近いと感じているのかもしれない。

同社のユーザー調査によると、Windows NT 4.0 Serverが稼動するマシンは、同じOSでもユーザーのマシン環境によって、リブート率で5倍、ブルースクリーン(カーネルのクラッシュ)率で10倍もの差があるという。つまり、OSそのものよりもハードウェアや特定のドライバーによる不安定要素の方が多いというわけだ。

そこでWindows 2000では、カーネルのデバッグを進めるとともに、ドライバー開発環境の整備やドライバー品質認定制度のWHQL認定基準の強化などを行なった上で、WHQL非認定のドライバーをリスト上でハイライトさせ、ユーザーに注意を促すようにしたという。

筆者の個人的意見を言えば、ひとつのドライバーがカーネルに影響を及ぼすこと自体に問題があると思うが、同社が品質改善に真剣に取り組んでいることは歓迎すべきだろう。

いずれにしろ、β2より多くのユーザーが評価でき、我々も忌憚のない評価を行なえるβ3の登場はもうすぐだ。てぐすねを引いてか、指折り数えてかは、ユーザーごとに異なるだろうが、答えはすぐ近くにまで迫ってきている。

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