このページの本文へ

米BALL Semiconductor、球面集積回路(IC)の製造に成功

1999年04月16日 00時00分更新

文● 編集部 綿貫晃

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

球状半導体の開発を行なう米BALL Semiconductor社は3月末、直径1mmの球状シリコン表面上に形成した集積回路(IC)を電気的に機能させることに成功したと発表した。N型MOS(メタル・オキサイド・セミコンダクター)のインバーター(反転回路)を製造し、その集積回路がインバーターとしての電気特性を持つことを確認したという。

検査用のプローブで動作確認している球面集積回路
検査用のプローブで動作確認している球面集積回路



同時に、米国特許庁から、球面半導体集積回路特許申請の審査を終了し、認可するとの連絡を2月中旬に書面で受領した事を明らかにした。半導体で、球面上で動作する集積回路を作る事に成功したのは同社が初めてという。

BALL Semiconductor社は、今後の計画として、パイロット・ライン(クリーン・ルームの代わりにチューブで製造するプロセス)を早急に完成させるとしている。また、6月4日に日本で行なわれる“第2回ボール・セミコンダクター・テクノロジー・コンファレンス”において、今回開発に成功したICやその他のボール製品、製造技術、製造システムの一部を初公開する予定。

従来のLSIは、円盤状のシリコンウエハーの表面に回路を露光して、トランジスターなどを形成していた。BALL Semiconductor社は、直径1mmという球状のシリコンボールの表面に回路を露光するという新しい技術を開発している。球状の表面に回路を形成するメリットは、単位体積あたりの表面積が、もっとも大きくなるため。単純に小さいということも半導体を基板上に実装する際に有利な条件となる。また、ひとつの工場内で単結晶生成から、露光、エッチングなどの過程を行なうことで、コストを下げると同時に、短時間での製品の製造が可能としている。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン