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NTT再編を下支えする企業に---NTT-MEとNTT-Xが発足記念マルチメディアセミナーを開催

1999年04月14日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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(株)エヌ・ティ・ティ エムイー(略称NTT-ME)と(株)エヌ・ティ・ティ エムイー情報流通(略称NTT-X)は、発足記念マルチメディアセミナーを開催した。会場には、関連企業やパートナー企業から約600名が参列した。

ネットワーク構築などを行なうNTT-MEはNTTの、ポータルサイトのシステム開発などを行なうNTT-XはNTT-MEの子会社。4月1日に設立が発表され池田茂氏が両社の代表取締役社長を兼任する。

池田茂NTT-ME、NTT-X代表取締役社長
池田茂NTT-ME、NTT-X代表取締役社長



池田茂代表取締役社長は、「NTT-MEは1万8000人の従業員を擁し、NTTグループでは最大の企業である。毎日8000台の車が動き、10万人の顧客と出会う。また、MCP(Microsoft Certified Professional Program)取得者は昨年7月の時点で90人だったものが現在2300名となっている。人数を生かせば、最高の企業に成長するだろう」と語り、同社は3年後に株式の上場を目指すとした。現在、同社の取引先はNTTとそのグループ企業が3分の2を占めているが、上場までにNTTグループ以外の企業が占める割合を半分まで引き上げたいという。NTT-Xに関しては、「平均年令は29才、200人で2万人のインパクトを与えたい」と抱負を述べた。

宮津純一郎NTT代表取締役社長
宮津純一郎NTT代表取締役社長



懇親会では宮津純一郎NTT代表取締役社長が、「NTT-ME、NTT-Xは、今後のNTTグループ再編を、下支えする企業になるだろう」とコメントし期待をよせた。

“マルチメディア革命記念日”---大前研一氏講演

また、同セミナーでは“マルチメディア革命”というタイトルで、経営コンサルタントの大前研一氏が特別講演を行なった。大前氏は“マルチメディア革命記念の年(記念日)”として、'85年と'98年の12月25日をあげ、事例を紹介した。

経営コンサルタントの大前研一氏
経営コンサルタントの大前研一氏



「アメリカでは'85年を前後に、デルコンピュータ('84年)、シスコシステムズ('84)、マニュジスティックス('84年)、ゲートウェイ2000('85年)、CNN('85年)と、現在ニューヨーク株式市場やNASDAQを賑わしている企業が誕生している。また、マイクロソフトの『Windows』が誕生したのも'85年である。私は'85年を境に『B.G.(before Gates)』、『A.G.(After Gates)』と呼んでいる」

「これらの企業は、10年で1兆円規模に成長した。共通点は2つある。全部オースティンやサンノゼといった田舎から出発したこと、CEOイコールCIOであることだ。特に、サプライチェーンやアウトソーシングを徹底している」

「一方'98年12月25日であるが、この年のクリスマス商戦は、3分の1から4分の1が、オンラインで売買されたという記録がある。通常、消費者の購買意欲は年が明けるにつれ徐々に低下するが、オンライン通販の熱狂はいまだ継続し、AOLやアマゾン・ドット・コムの株化は上昇しつづけている。2001年には商流の3分の1がインターネット経由になるであろう」

2件の例を通して、大前氏が特に協調したのは、成長企業が行なう取引は、顧客とのインターフェースが整備されているという点である。取引窓口はウェブやコールセンターが24時間対応し、トラブル発生時にはオペレーターが対応するというものだ。さらに氏は、「ビジネスのフェーズは、ビジネス・トゥー・ビジネスから、ビジネス・トゥー・コンシューマーに変化した。これからは、さらにコンシューマー・トゥー・コンシューマーになるだろう」との予測を示した。

大前氏の講話を受けて、NTT-ME、NTT-X代表取締役社長の池田茂氏は、「NTT-Xでインターネットでポータルのサービスを、NTT-MEでフェイス・トゥー・フェイスの顧客サービスを徹底したい」と懇親会で語った。

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