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【WinHEC 99レポート Vol.6】PCMCIAが次世代PCカード規格のCardXを発表

1999年04月14日 00時00分更新

文● ライター 本田雅一

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もしかするとPCカードは、今後ノートPCに必須の拡張スロットという立場から、急激にその必要性を失い、階段を転げるように不要な存在へと転落してしまうかもしれない。

PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association:ポータブルPC用のカード型メモリーの標準化を行なうために結成された米国の標準化団体)はWinHECで、次世代PCカード規格のCardXを披露したが、すでにあまり受け入れられていないCardBus規格に加えて、従来と同じ50ピンのコネクタにIEEE1394、USB、SMBusといった信号をマルチプレクシングするという。もちろん、下位互換性は保ったままで、将来的にはUSB 2.0やIEEE1394bも視野に入れているという。PCMCIAは、先日もミニPCカードという規格を発表していた。すでにコンパクトフラッシュがデファクトスタンダード化し、多くの機器に装備されているにもかかわらずだ。

下位互換性と将来の高速かつ高機能なバスをサポートすることで、PCカードはもしかすると延命できるかもしれない。しかし、ここで必要なことは古いレガシーデバイスを捨て去ることであって、決して高速化ではない。

USBがすでにほとんどすべてのノートPCに標準装備されているように、IEEE1394も時がくれば標準装備されるようになるだろうが、それがカードである必要はまったくない。現在のノートPCを見ると明白だが、PCカードスロットの占める面積は設計レイアウト上の大きな制約となっている。もし、PCカードが今なくなったとして、困るのはフラッシュメモリーカードぐらいのものだろう。それならば、もっとコンパクトなメモリー専用スロットでかまわない(フラッシュメモリーのフォームファクタにスタンダードがないという問題はあるかもしれない)。

モデム、LANといったデバイスは、それぞれ大幅なコストダウンと小型化により、内蔵する場合の支障はなくなってきている。逆に将来、レガシーフリーなPCを構築するためには、PCカードは邪魔な存在でしかない。PCカードを実装する限り、ISAはなくならないからだ。

もしどこかの有力ベンダーが、PCカードフリーの魅力的なノートPCを出し、それがヒットしたならば、ユーザーもPCカードの無意味さに気づくようになるかもしれない。PCカードには非常に多くのインストールベースが存在し、それが急になくなることもないが、次世代にレガシーなPCカードを残す意味はないと思う。CardXという規格は、ユーザーニーズとPCのトレンドから大きく外れた企画倒れの仕様になるだろう。

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