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Too、“Adobe & Too Publishing Solution '99”を開催、アップル原田社長とアドビのヤング社長が登場

1999年04月08日 00時00分更新

文● 千葉英寿/編集部 桑本美鈴

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 (株)Tooは、アドビシステムズ(株)の協賛を得て、デジタルパブリッシング制作者向けの展示会“Adobe & Too Publishing Solution '99”を開催した。午前中は、ゲストパネラーにアップルコンピュータ(株)の原田永幸代表取締役社長、アドビシステムズのJesse D.Young(ジェシー・ヤング)代表取締役社長を迎え、“新世紀に向けたデジタルパブリッシング戦略”と題したオープニングセッションが行なわれた。

パブリッシング分野でのMacintosh優位を改めて強調

 原田氏は、「アップルは赤字続きで大丈夫かと言われていたが、1年以上も前から黒字の財務体質となっている。黒字後のさらなる成長要因の第1弾がiMac、第2弾がG3だ。われわれは、コンシューマ向けデスクトップ、プロフェッショナル向けデスクトップ、コンシューマ向けポータブル、プロフェッショナル向けポータブルと、製品を整理した。いろいろ噂されているコンシューマ向けポータブルは、まだ企業秘密だが今年中に出す予定だ」と説明。



「iMacは絶好調であり、周辺機器も売れている。店頭販売のデスクトップでのシェアは常にトップであり、ユーザー層は、新規ユーザーが46パーセント、Windowsからの乗り換えが16パーセント、既存のMacintoshユーザーが38パーセントだ」

「パブリッシング市場でのMacintoshのシェアは、デザイン分野で92パーセント、プリプレス印刷分野で73パーセント、ビデオ編集分野で61パーセント、音楽制作分野で80パーセントとなっている。アップルは過去の経験と実績がある」

「米国でリリースされ、日本語版も近々発表する予定のMac OS X Serverは、Linuxと違いアップル独自の製品であり、コーポレートユーザに安心してお使いいただける信頼性とパフォーマンスに優れている。従来のMac OSとMac OS X Serverを統合したものとなるMac OS Xも今年中にリリースする」

デモではFireWire製品を使ったホットプラグ&プレイを披露

 続いて、アップルコンピュータの鯉田潮氏によるデモンストレーションが行なわれた。同氏は、Adobe Photoshop 5.0を使ってPower Macintosh 8500/150とG3(400MHz)を比較。Photoshopの起動から、サンプルデータの読み込み、カラー変換、画像のスクロール、ファイル保存までの一連の作業をスクリーンに比較表示させ、G3のパフォーマンスの優位性をわかりやすくアピールした。また、FireWire(IEEE1394)のデモでは、ヤノ電器製の対応HDDをG3に接続して、ホットプラグ&プレイが用意に実現することを紹介。HDDにコピーしたQuickTimeムービーを再生し、途中でケーブルを抜き、再びケーブルを接続するとムービーの続きを再生するというパフォーマンスが行なわれた。

Adobe Photoshopを使い、G3のパフォーマンスを誇示した
Adobe Photoshopを使い、G3のパフォーマンスを誇示した



一般には初公開となるMac OS X Server 日本語版のデモは、NetBoot機能などを中心に行なわれた
一般には初公開となるMac OS X Server 日本語版のデモは、NetBoot機能などを中心に行なわれた



 原田氏は、「パブリッシングマーケットでは、アドビシステムズなくして市場開拓はない。アップルとアドビとTooでさらに市場に貢献していきたい」と締めくくり、ヤング氏にバトンタッチした。

アドビはプロフェッショナル市場でのリーダーシップの強化を明言

 ヤング氏は、「アドビのフォーカスする顧客は、プロフェッショナルパブリッシング、ビジネスパブリッシング、コンシューマイメージング、ドキュメントソリューションだ」とし、プロフェッショナルパブリッシングにおける目標として「クロスメディアおよびウェブパブリッシングのプロに対して優れたソリューションを提供し、プロフェッショナル市場でのリーダーシップの強化を図る」と説明。



「ワールドワイドでのパブリッシングにおけるプロフェッショナル数は、1995年は印刷のみに使用するユーザーが640万人と大半を占めていたが、1998年では、印刷のみが170万人、ウェブ作成と印刷の両方に対し使用しているクロスメディアユーザーが460万人、ウェブのみが53万人となっている。これが2001年には、プリント90万人、クロスメディア570万人、ウェブ200万人となると予測している。今後は、データの重複や非効率的なデータ利用を最小化し、印刷とウェブ用資産(データ)の共有化を行なうことが重要。われわれは、デジタル資産を共有化してワークフローに取り込むソフトを提供する用意がある」

「ページレイアウト分野では、プロフェッショナル向けとビジネス向けとの違いをはっきりさせる。InDesignとGoLive製品は、プロの印刷業界とウェブパブリッシング向け。一方、PageMakerは対象をビジネスに変更し、ビジネスにおける印刷とウェブパブリッシング向け製品としていく」

 セッションの最後に、Tooの石井栄一代表取締役が登場。「パブリッシング業界はデジタル化へと進んでおり、一般家庭へもインターネットが普及したことから、ネット広告費も急拡大している。われわれは今後、“作るための道具”ではなく、ソリューション全体を提案する形をとっていく。また、デジタルビジネスをサポートする強化体制をとり、ユーザーの相談相手として、製品提供のほか、システムの構築/運用支援やメンテナンスサポートなどを行なう会社を目指す」と締めくくった。



展示会場には時節柄、新入社員らしい来場者も見受けられ、体験コーナーに人気が集まっていた
展示会場には時節柄、新入社員らしい来場者も見受けられ、体験コーナーに人気が集まっていた



アドビはビジネス向けのパブリッシング・スイート、Adobe Publishing Collectionの紹介に力を入れていた
アドビはビジネス向けのパブリッシング・スイート、Adobe Publishing Collectionの紹介に力を入れていた

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