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【COMMENT】「国際市場では国ではなくライフスタイルでセグメント化してマーケティング」--エリクソンのBo Albertson氏

1999年03月26日 00時00分更新

文● ドイツ在住ジャーナリスト/高松平藏

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スウェーデンに本拠を置くエリクソン社は、移動体通信、固定網通信のマーケットに世界的規模で展開している。同社広報部部長、Bo Albertson氏に、消費者マーケティングについて聞いた。

エリクソン社広報部部長、Bo Albertson氏。Cebit会場で撮影した
エリクソン社広報部部長、Bo Albertson氏。Cebit会場で撮影した



「世界的市場を視野にいれたとき、国ごとの特性よりも、水平的に顧客像をいくつかに分けて考えるべきだ。古くは、ジェンダー、収入、教育レベルなどで分類されることが多かったが、今はライフスタイルで考えるべき時代」と、同氏は強調した。国境よりも人の価値観を軸とするという考え方である。

 同社の場合、顧客のライフスタイルを5つに分類している。(1)テクノロジーの変化に対して、とにかく新しいものをほしがる“パイオニア”タイプ、(2)新技術を自分の仕事に反映させたい“キャリア組”、(3)ブランド志向。とにかくモノを持ちたいという“現実主義者”、(4)単にブランド品がほしいというだけでなく、コミュニケーションの道具として買う“社会的活用派”、(5)値段が安く、安全な商品をほしがる“保守的な人”--である。

 ライフスタイル別のマーケティングを行なえば、どんな国にも5つに分類された顧客がいることになるというわけだ。ちなみに昨年の同社総売上の国別割合をみてみよう。中国の12パーセントを筆頭に米国9パーセント、英国8パーセントと続く。日本は第9位で3パーセント。同社のお膝元であるスウェーデンの割合は第6位の5パーセントである。スウェーデン国外での売上が95パーセントにも上ることになる。

 同社は昨年3月にSven-Christer Nilson(スヴェン・クリスタ・ニルソン)氏がCEOに就任して以来、IP技術への取り組みを強化するなどの手を繰り出してきた。無線通信、インターネットを基礎にした技術分野への投資を強める戦略を打ち出した。それに伴い、社内の業務部門を、“事業者およびサービスプロバイダー”、“企業”、“消費者”の3部門に再編成した。顧客別の組織にしたのである。カスタマーインターフェースの強化などを通じ、消費者部門で年間最低20パーセントの成長率を目指している。

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