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政府システムの2000年問題解消に165億円、官庁内文書の電子公開も視野に----日本経営協会講演会から

1999年03月11日 00時00分更新

文● 報道局 白神貴司

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 (社)日本経営協会は10日、“デジタル・ドキュメント関連施策について”と題した講演会を開催した。その中で、総務庁行政管理局行政システム企画課の橋本敏副管理官は、政府が今年度に取り組みを予定している文書管理の電子化計画などについて講演した。

 講演では、各種申請書の電子化や手続きのオンライン化、インターネットの利用など、現在政府が進めている情報の電子化への取り組みのほか、2000年問題に関する話題も飛び出した。

郵便局に公共パソコン設置か

 届出書など、文書の電子化については、(1)インターネットの活用、(2)申請・届出書の電子化、(3)手続きに関する案内情報・様式の提供とオンライン化--などの基盤となる研究開発の推進が中心となる。

 インターネットの利用についても触れた。各省庁のウェブサイトで提供する情報を拡充し、市民からの意見、要望、問い合わせを電子メールによって受け付ける。また、行政の公共性を維持するため、インターネットのアクセス手段を持たない市民への配慮として、総合相談所や郵便局などへ、パソコンなどのインターネット閲覧端末を配備する計画もあるという。

たらい回し解消システムに注力、電子受付の24時間化も射程に

 さまざまな行政手続きがどの官庁の所轄なのかを案内するシステムは、これまで各省庁ごとに実施してきた。橋本氏は、これらを総務庁で統括することを明らかにした。これは総合案内サービスを提供する“クリアリング(所在案内)システム”と呼ばれるもので、'98年5月に総理府、総務庁、厚生省、建設省が試験運用を開始している。このシステムが本格的に導入されれば、管轄の部署へたどり着くまでに時間のかかるいわゆる“たらい回し”の解消が期待できる。

 電子申請においては、フロッピーディスクなど磁気媒体を利用したオフライン申請と、インターネットを利用したオンライン申請の両方をサポートする。電子化に伴い、受付処理時間の延長や24時間化、申請地制限の削減の推進などを視野に入れた計画を推進する。申請に必要な手数料については、現状の収入印紙を使用する仕組みを改正することを検討している。

部署内文書の電子公開へ

 行政内部の情報化推進の基盤整備にも触れた。部署内の文書を電子化してデータベースとして管理、運用することをベースとし、そのデータベースの市民への公開や検索システムの構築などを計画している。また、これまで紙で行なっていた各省庁間の文書交換を電子化する方針も決まっている。これに向けて、暗号化、認証技術について研究しているという。この電子文書の収受には、政府が'97年1月に運用を開始した“霞ヶ関WAN”と呼ぶネットワークを利用する。

 同ネットワークには現在36省庁が参加している。さらにネットワークを拡大し、2000年をめどに各省庁の地方支局を含めた広大なネットワークを構築する予定である。現在、中央省庁には、ほぼ1人1台のパソコンが支給されており、国の行政機関全体では約64パーセントがLANに接続したパソコンを設置している。政府では、“霞ヶ関WAN”拡大のため、さらにパソコンの支給を進めていくという。

2000年問題に165億円投入

 橋本氏は、政府が管轄しているコンピューターシステムの西暦2000年問題への対応にも触れた。対策の遅れが懸念されている分野である。行政情報システムのうち、国民生活に密接に関連する重要システムについては、6月までに模擬テストを実施し、“危機管理計画”を策定、障害の検出と修正を実施していく。

 現在、全524システム中323システムの検証が1月時点で終了しているという。対応する予算として、'98年度第3次補正予算で計165億円を計上している。

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