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1万6500の学校と3400の図書館がネットワーク化---カナダ大使館商務部が“マルチメディア/エデュテイメント・ソフトウェア・セミナー”を開催

1999年03月08日 00時00分更新

文● 報道局 伊藤咲子

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 カナダ大使館商務部は、“マルチメディア/エデュテイメント・ソフトウェア・セミナー”を開催した。これは、教育分野を手がけるカナダのソフトウェアベンダーとその製品を日本のメーカーや教育関係者に紹介する催し。同国政府代表者による、カナダの教育現場における情報通信技術の導入事例を紹介する講演も行なわれた。

1万6500の学校と3400の図書館をネットワーク化


 冒頭、今回のセミナーのために来日した、カナダ連邦政府産業省“SchoolNet”のエグゼクティブディレクターを務める、マック・プレスコット(Mac Prescot)氏が、カナダにおける教育のデジタル化事情を語った。“SchoolNet”はカナダ国内の教育機関や図書館、博物館をインターネットで接続するために作られた研究機関。

マック・プレスコット氏
マック・プレスコット氏



 カナダはOECD諸国の中でも、GDPにしめる教育費の割合が高いことで知られている。'98年の時点ですでに、1万6500の学校と3400の図書館のネットワーク化を実現している。マック氏は、「2000年までには、カナダ国内のすべての教室にネットワークで繋がれたコンピューターを導入、カナダ国内のフランス語圏のネットワーク化を行ない、1万人のボランティアとともに慈善団体の形成を目指します」と力強く語った。

 さらに同氏は、ICT技術を使って、ジャスト・イン・タイムの教育環境を作り、黒板とチョークを使った授業から、大学の構内に足を踏み入れなくても学位が取得できるようなシステムを作りたいと続けた。「我々は、カナダが知識ベース(Knowledge-based)の国になるよう、ネットワーク化の導入を推進していきたいと思っています。ネットワーク化は、コミュニケーションの拡大を意味します。SchoolNetは、カナダ国内の活動に留まらず、アルゼンチン、中国、イギリスなど16ヵ国と共同事業を推進しており、240万カナダドル(約2億円)規模のプロジェクトになりました」

 日本とは、官民合わせた戦略的なパートナーシップが結べればと、同氏は結んだ。

お話クジラ

 今回参加したカナダの企業は、コーレル、DNA Media Group、Hummingbird Communications、Innova Multimedeiaの4社。代表者のスピーチや製品の展示などが行なわれた。

Innova Multimedeia社のブース
Innova Multimedeia社のブース



 中でも目を引いたのはInnova Multimedeia社のブース。壁に“代理店募集”の張り紙がされ、人だかりができていた。同社は'94年にカナダに設立され、英語・理科・算数などの教材を小学生から大学生向けに約200タイトル製作している。

ジョー・ワイズマン(T.J. Joe Wisemann)氏
ジョー・ワイズマン(T.J. Joe Wisemann)氏



 Innova Multimedeia社プレジデントのジョー・ワイズマン(T.J. Joe Wisemann)氏がデモを行なった。ワイズマン氏が紹介したのは、同社の初等教育ソフト『A WHALE of a TALE(お話クジラ)』シリーズ。派手な画面の演出効果を排除し、ソフトな色使いを選び、コンテンツに集中できるようなシンプルな画面構成を心がけたという。『A WHALE of a TALE』シリーズは同社のホームページでダウンロードが可能で、『Science- Grade One』はWindowsとMacintoshに対応し39.95カナダドル(約3227円)。

『A WHALE of a TALE』より
『A WHALE of a TALE』より

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