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社内のウェブサイトを管理・統合---NECがナレッジマネジメントシステムの導入事例を紹介

1999年02月17日 00時00分更新

文● 報道局 佐藤和彦

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 日本電気(株)(NEC)は、2月に販売を開始したナレッジマネジメントシステム『StarKnowledge』の導入事例を報道向けに紹介した。『StarKnowledge』は、企業内において部門ごとに開設されがちなウェブサイトを、それを利用するユーザーの立場で再構成するというシステム。

 たとえばある社員が出張する際に、出張申請については人事部のサイト、チケットや宿泊先の予約には総務部のサイト、経費の精算に関しては経理部のサイトから情報や申請書を入手する必要がある。それが、『StarKnowledge』では“出張”というディレクトリーにアクセスするだけで、必要な情報や書類を入手できるようになるという。ディレクトリーの作成については、ウェブにアクセスする社員の意見とロボットによる検索をもとに、約3ヵ月毎に見直すという。

米NEC Technology社のイントラネットサイト。左の部分に必要な情報が階層化されて収納されている
米NEC Technology社のイントラネットサイト。左の部分に必要な情報が階層化されて収納されている



 導入事例として紹介されたのは、NECの子会社で在米パソコン周辺機器メーカーの米NEC Technology社。同社では、4部門がバラバラにウェブサイトを製作し、その合計は1万ページを超えていた。これを維持するのに必要な費用は人件費も含め年間約260万ドル(約3億円)かかっていたが、実際のアクセスは1日に約1200ヒット(年間で約30万ヒット)しかなかったという。

 これに『StarKnowledge』を約17万ドル(約2000万円)の費用で導入するケースをシミュレートしたところ、コンテンツ製作のコストを20万ドル(約3360万円)削減できるという。また、情報交流がスムーズになったことで機会損失を削減することができ、それによる売り上げ増が100万ドル(約1億1800万円)。合計で120万ドル(約1億5160万円)の利益増が見込めるという試算結果を発表した。

NECの金杉明信取締役支配人
NECの金杉明信取締役支配人



 NECの金杉明信取締役支配人は、こうしたナレッジマネジメントシステムに対する企業の関心が高まっている背景について、NECでの事例を引き合いに出して次のように説明した。

「NECでは、事業部毎に社内向けに必要だと思われる情報をどんどんウェブサイトとしてイントラネットで公開したきた。しかし、特に技術に関する情報はどんどん付け加わっていくため、社内サイトはいまや600万サイトに膨れ上がってしまっている。こうした情報発信者の都合で作られたウェブサイトを利用者の立場で再構成するには、『StarKnowledge』のようなソフトは有効だと思う。NECでは、過去にグループウェアを当社の『StarOffice』に統一しようとしたが、言うことを聞かずに『Lotus Notes』を使い続けている部署もまだある。こうした企業は他にもあるようで、異なるグループウェア内に開設されたウェブサイトを横断的に管理するシステムのニーズは高まっている」

 現在、製造業2社、サービス業2社など5社の大手企業から同システムへの引き合いがきているという。

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