米3Dシステムズ社は、東京・初台オペラシティーの(株)インクス社内にて、光造形装置『SLA-7000』の記者発表会を開催した。製品について、説明を行なったのは、同社社長兼最高業務責任者Richard
D.Balanson(リチャードD.バランソン)氏。
リチャードD.バランソン氏「目標は100パーセントのシェア」 |
「この製品には3つの特徴がある。それはは“性能の向上”、“品質・信頼性の向上”、そして“価格”。性能は造形速度が既存機種『SLA5000』の4倍速くなった。SLA5000で50時間かかかっていたものがSLA7000では11時間で作れる。例えば、今まで大きなパーツを製作していたところではパーツ作成に3日から4日かかっていた。SLA7000を導入することで1日で製作できる。また、造形する際の積層の厚さは0.025mmで、SLA5000の6分の1の薄さとなる。パーツの表面が非常に滑らかになり、仕上げの手作業にかかる時間も大幅に短縮できる」
「そして何より日本人が気にする部分はコスト。この製品はアメリカでは79万9995ドル(日本円で約1億円)だが、日本国内では8000万円で提供する。さらに、購入者に対して、同業他社製品を1500万円で買い取るサービスも開始する。つまり、最低6500万円でこのシステムを購入できることになる。さらに、SLA7000を1度に3台購入した企業には4台目を無償で進呈する」
今回の性能向上についてリチャード氏は以下のように述べている「初心者でも使いやすい“ソフトウェア”、SLA5000に比べ約4倍の出力を持つ“レーザーシステム”、高速に固まる光硬化樹脂『SL7510』。これらの利用により、全体で400パーセントのの性能向上を実現した」
製品には3Dモデリングソフトウェア『3D Lightyear』と制御用ソフトウェア『Buildstation5.0』が付属する。対応OSはWindows
NT。GUIにより初心者でもすぐに使える操作性を目指したという。国内での販売は(株)インクスが行なう。自動車関係、家電産業関係、大学など公的機関での需要を見込んでおり、出荷は本日付けで開始する。
光造形装置特有の表面のガタガタがほとんどない |
この程度のものなら11時間で造形できるという |
説明の時にさり気なく置いてあった“Speed is money”パネル |
(*1)光造形装置:光を照射することで硬化する液体プラスチックをつかい、3次元のデジタルデータから立体プラスチックモデルを自動製作するもの。