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デジタルハリウッド、ハリウッドのCG制作会社Rhythm&Huesの就職説明会を開催

1999年02月08日 00時00分更新

文● 報道局 伊藤咲子

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  クリエーター養成の専門校デジタルハリウッドは6日、米Rhythm&Hues社の就職説明会を開催した。対象は同校の学生や卒業生で、ホームページでは一般参加者に対する告知も行なわれた。Rhythm&Huesは、映画『Babe(ベイブ)』やコカ・コーラ社のCM“PolarBears”の制作で知られる大手のCG制作会社。アメリカのCGスタジオが日本国内で就職説明会を開催するのは、これが初めて。

杉山知之校長
杉山知之校長



 説明会の冒頭、デジタルハリウッド校長の杉山知之氏が、「デジタルの仕事に国境はありません。仕事ごとに契約を取れるような人材が日本から輩出されるようになることを望みます」と生徒たちを激励した。

420人収容の会場は、立ち見も出るほど
420人収容の会場は、立ち見も出るほど



 今回、来日したのは広告・広報ディレクターを務めるSuzanne Datz(スザンヌ・ダッツ)氏。同氏はRhythm&Huesの仕事や職場環境の説明を行なった。

 Rhythm&Huesは'87年、現社長のJohn Hughes(ジョン ヒューズ)氏が設立、ロサンゼルスに本拠を構える。約250名いる社員の出身国は35ヵ国と幅広い。CG制作にたずさわるクリエーターの約半数はアメリカ以外の国の出身者。映画『Babe』ではCGによる画像の合成といった特殊効果を担当、主人公の子豚に人間のような表情やしぐさが加えられた。この作品は、'95年度のアカデミー賞を受賞している。

 社員の採用は、アニメーター、ライター、モデレーターといった職種別になっており、ホームページで求人情報を公開している。作品・書類選考の後、面接試験となる。年間約6000通の応募があり、10数名を採用しているという。

 最後に同氏は、採用基準を紹介。「芸術性と技術をバランスよく持っていることが、大きなポイントです。エイリアス社のソフトなど主要なCGツールが使えることも強みになるでしょう」と語った。

 デジタルハリウッドでは、生徒の卒業制作が一段落ついたころに、Rhythm&Huesへの就職を希望する生徒の履歴書と作品を一括でRhythm&Hues社に送付する予定だ。

優秀な生徒は採りますし、優秀でない生徒は採りません

Rhythm&Hues広告・広報ディレクター、Suzanne Datz氏
Rhythm&Hues広告・広報ディレクター、Suzanne Datz氏



----今回、日本でデジタルハリウッドの生徒を対象に就職説明会を開いた理由は何ですか

「アメリカだけで優秀なアーティストを探すのが難しいからです。今回は、デジタルハリウッド側から招きを受けました」

編集部注:デジタルハリウッドは米カリフォルニア州のサンタモニカにU.S.A.校を開設、Rhythm&Huesとは講義や人材育成面で協力関係を結んでいる。

----今後、日本を含む世界各地で就職説明会を開催する予定はありますか

「イベントにスピーカーとして参加することはありますが、説明会の予定は特にありません。また、アメリカ以外の国で、こうしたリクルート活動を行なったのは今回が初めてです」

----デジタルハリウッドの生徒作品を見た感想は

「私の見た範囲では、素晴らしいものだと思います」

----今回デジタルハリウッドから生徒作品が大量に送られてきますが、採用なしという結果もありえますか

「優秀な生徒は採りますし、優秀でない生徒は採りません」

 デジタルハリウッドは、今後もデジタルハリウッドU.S.A.校との連携による海外スタジオへの就職活動を支援する予定。実力勝負のハリウッドCG業界、採用率が1パーセントにに満たないという狭き門を、何人の日本人が通過できるのであろうか。

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