米サンフランシスコの連邦裁判所は4日(現地時間)、プレイステーション・エミュレーターの販売差し止めを求めるソニー側の訴えを却下する判断を下した。
この訴えは米ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が1月27日、Macintosh用のプレステ・エミュレーター『Virtual
Game Station』の販売を差し止める仮判決を求めて、発売元の米Connectix社を訴えていたもの。
米Connectix社では裁判所の決定を受け、声明を発表。同社のロイ・マクドナルド社長兼CEOは、「弊社のエミュレーター技術が、人気ソフトをプレーするためのハードウェアを選ぶうえで、より多くの選択肢を消費者に提供するものとなることを確信している」と語っている。
ASCII24では知的財産権に詳しい識者から、今回の判断についての次のようなコメントを得た。
「裁判所の判断は、順当なものと思われる。今回のようなケースの場合、知的財産権の侵害を構成する要素は2つ考えられる」
「ひとつは、エミュレーターの開発者がソニーの作ったソースコードを盗用した場合。だが、今回のケースではその証明ができなかったと思われる」
「もうひとつは、Connectix社がユーザーに対しゲームソフト(CD-ROM)を無断複製するように仕向けた場合がある。しかし、Virtual
Game Stationではオリジナルの媒体がそのまま利用できるので、無断複製は起こり得ない」
「それでもなお、ソニー側が『Connectixがユーザーに対し、ソフト使用許諾契約を違反するように促した』と言いたてる可能性もあり得る。だが、そう主張するためにはソニーがユーザーに対し、ゲームソフトの購入時に“ソニー純正のゲーム機器だけでプレーすることを許諾されたのであって、それ以外の機器によるプレーは契約違反である”ことを明確に認識させるようにしなければならない」