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世界のロボットが大集合--NTT ICCが“『共生する/進化するロボット』展”を開催

1999年01月28日 00時00分更新

文● 報道局 佐藤和彦

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 (株)NTTインターコミュニケーション・センター(NTT ICC)は、29日より、東京初台の東京オペラシティーにて“『共生する/進化するロボット』展”を開催する。29日からの開幕を控え、マスコミ向けに展示ロボットの公開を行なった。

●入り口では、布製ロボット(?)パボットがお出迎え

出展:高橋士郎氏
出展:高橋士郎氏



 会場の入り口の前と、入ってすぐの所では、布製ロボット(?)の“パボット”がお出迎えをしてくれる。布で出来ており、空気圧により膨らんでいる。空気圧を調整することで、枝の部分が閉じたりする。この“パボット”は、恐怖心を抱かせない、愛着をもてる、故障が少ない、というロボットに必要な3つの要素を満たしているという。特に、何かの役に立つわけではないが、観賞用の植物のようで心が和やかになる。

●進化するエビ型歩行ロボット“OCT-1C”

出展:(株)AAIジャパン
出展:(株)AAIジャパン



 始めは、足をばたばたさせるだけのエビ型ロボットが、徐々に足の動かし方を覚えてきちんと歩けるようになる、その進化の過程を見せるロボット。エビ型ロボットの1つひとつの足には、何かに触ったら引っ込めるという動作だけがプログラムされている。ひとつひとつの足は独立しており、特に連携させるためのプログラムは無い。ただし、腹が床に着くと“痛い”というマイナスの信号が与えられ、また、足を前に出すと“気持ちいい”というプラスの信号が与えられる。この方向付けによって、初めはただばたばた足を動かしていただけのロボットが、次第になめらかに歩けるようになる。

●人の声に反応するトリ型ロボット“MiMIC”

出展:ATR知能映像通信研究所
出展:ATR知能映像通信研究所



 トリ型ロボットの“MiMIC(ミミック)”は、その前に設置されたマイクを通して聞こえてくる人間の声に反応して、外界のイメージを感知する。超音波で外界を感知するペンギンを模したロボット。人の声のパターンを覚え、それに反応することで人とコミュニケーションをとることができる。

●進化型鬼ごっこロボット

出展:スイスローザンヌ連邦工科大学
出展:スイスローザンヌ連邦工科大学



 2種類のロボットが獲得した知識を次世代に伝えることで、知的進化を実現するロボット。2台のロボットのうち、追いかける方はCCDカメラで見ることができるが動く速度は遅い。もう一方の追われるロボットは動く速度は早いが、CCDカメラはなくセンサーでロボットの接近を感知する。追いかける、逃げるという行為をうまく実現する動作の仕方をプログラムに組み込み、それぞれ次世代のロボットに搭載する。この世代交代を100回繰り返すことにより、動作パターンが豊富なロボットが誕生する。こうして得られたプログラムは、100の動作パータンを人間が考えて作るよりも、より効率的に得られるものとなる。


●進化型釘抜きロボット


出展:スイスローザンヌ連邦工科大学
出展:スイスローザンヌ連邦工科大学



 各ロボットの目的は、穴に入っている棒を抜くことだが、棒が長いために1台では抜くことができない。それぞれのロボットは、それぞれ独立して動作しているが、その過程で2台が連携すれば棒を抜くことが可能となることを学習する。偶然の行為が、習慣として獲得されていく過程をみることができる。

●超小型ペットロボット“EMRoS”

出展:セイコーエプソン(株)
出展:セイコーエプソン(株)



 角砂糖より少し小さい小型ロボット“EMRoS(エムロス)”。よくみるとネズミのような顔をしている。光がある方向に向かって動く習性がある。ペットのようなロボットである。

●英語で対話するロボット“ActiMates”

出展:マイクロソフト(株)
出展:マイクロソフト(株)



 米マイクロソフト社がすでに発売している、英語で対話するロボット“ActiMates”。数千の英単語を記憶しているが、人間と対話することはできない。男の子、女の子、恐竜の3タイプがある。

●電子オルガンを弾く“WABOT-2”

出展:早稲田大学ヒューマノイドプロジェクト
出展:早稲田大学ヒューマノイドプロジェクト



 “WABOT(ワボット)-2”は、日本語で人間と会話をするほか、CCDカメラで音符を読んで、電子オルガンの演奏も行なう。人の歌声を聞き取って採譜し、人の歌声にあわせて演奏することもできる。

●知的車椅子“TAO-6”

出展:(株)AAIジャパン
出展:(株)AAIジャパン



 電動車椅子に周囲の状況を感知するセンサーを搭載。CCDカメラ、超音波、赤外線の3つのセンサーを搭載。前方に障害物があれば、自動的によけたり、とまったりする。

 同イベントの展示は、東京オペラシティー4階のNTT ICCにて、3月22日まで続けられる。また関連イベントとして、以下のシンポジウムや、『LEGO MINDSTORMS』のワークショップも予定されており、ASCII24でも随時お伝えする予定である。

『LEGO MINDSTORMS』も展示されている。出展:レゴジャパン(株)
『LEGO MINDSTORMS』も展示されている。出展:レゴジャパン(株)



●シンポジウム

30日 午後3時
より
第1回“進化するロボット” 講演者 ダリオ・フロレアーノ氏など3名
31日 午後3時
より
第2回“ロボットと教育” 講演者 ヘンリック・ハウトップ・ルンド レゴラボ所長
2月3日 午後3時
より
第3回“ヒューマノイドロボットの現在と将来” 早稲田大学ヒューマノイドプロジェクト
2月4日 午後3時
より
第4回“ペットとしてのロボットの現在と近未来”オムロン(株)

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