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日立、新型モバイルCPU搭載ノートを発表

1999年01月26日 00時00分更新

文● 報道局 原武士

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 (株)日立製作所は、東京・お茶の水の日立本社ビルで、モバイルPentium IIおよび、モバイルCeleron搭載のビジネス向けノートパソコン4機種の発表と、同社の事業展開について記者発表会を開催した。

レガシーフリーコンセプト採用のB5ノート『FLORA 220CX』

 B5サブノート『FLORA 220CX』はCPUにモバイルPentium II-300PE MHzもしくは、モバイルCeleron-266MHzを搭載。OSはWindows 98。メモリーは標準で64MB(最大256MB)。24倍速CD-ROMドライブを内蔵し、液晶ディスプレーは10.4インチTFT。グラフィックスアクセラレーターには米Chips & Technologies社の『69000(2MB)』を採用しており、800×600ドットで26万色表示が可能。レガシーフリーコンセプト(*1)を採用しており、CRTポートやシリアルポートは排除されている(*2)。代わりにUSBポートを2基搭載する。PCカードスロットは1基搭載。内蔵できる100BASE-TX/100BASE-T、V.90/K56flexには、米スリーコム社などが提唱するドーターカードの標準規格“Mini PCI”を採用している。また、液晶ディスプレーを180度開いた状態で画面の天地を逆転して表示できる“パーソナルプレゼンテーションモード”を搭載する。

 サイズは幅257×奥行214×高さ29mm、重さは1.5kg。バッテリーの駆動時間は標準で1~2時間、オプションの大容量バッテリーを利用することで3~4時間。同社のBTO(Build To Order)に対応し、メモリー、CPU、プレインストールソフトの選択が可能。価格は38万8000円から、出荷は2月26日。

B5サイズでCD-ROMドライブを内蔵できた理由はレガシーフリーを採用したためだという B5サイズでCD-ROMドライブを内蔵できた理由はレガシーフリーを採用したためだという



(*1)ISAバス、シリアル/パラレル/FDDなどの、古くからあるインターフェースをマザーボード上から取り除いたシステム。

(*2)実際には、バッテリー部分の奥にCRTポートがあり、ACアダプターで接続している場合は、バッテリーを外せばCRTポートを利用できる。

キーボードの無いペン入力ノート『FLORA 220MP』

 プレゼンテーションや展示など、さまざまな用途に使うことを目的とする“マルチポジショナルPC”『FLORA 220MP』は手書き入力で利用するペン入力パソコン。CPUにはMMX Pentium-266MHzを搭載。OSはWindows 98を搭載。メモリーは32MBと64MBの2種類から選択(最大は160MB)。液晶ディスプレーは10.4インチTFT、グラフィックスアクセラレーターには米Chips & Technologies社の『69000(2MB)』を採用し、解像度は800×600ドットで26万色表示が可能。外蓋を折りたたんでスタンドにすることで机の上に立てて利用もできる。手書き文字の認識には同社の『TEMOLIB-てが~る』を採用しており、画面内であれば文字の大きさに関わらず文字認識される。サイズは幅265×奥行205×高さ32mmで重さは1.3kg。バッテリーの駆動時間は標準で1.5~2.5時間、オプションの大容量バッテリーを利用することで3~5時間利用できる。価格は38万8000円からで、出荷は2月10日。



下は蓋をスタンドにした状態。手書き認識ソフトの認識率はかなり高かった 下は蓋をスタンドにした状態。手書き認識ソフトの認識率はかなり高かった



ハイエンド向けオールインワンノート

 『FLORA 270EX/VX』は、FDD、CD-ROMドライブを搭載するオールインワン型のA4ノートパソコン。OSはWindows 95/98/NT4.0の3種類から選択可能。

 『270EX』はCPUにモバイルPentium II(366/333/300PE/266PE)を搭載、メモリーは標準で64MB(最大256MB)。HDDは6.4GBと4.3GBから選択。液晶ディスプレーは14.1インチもしくは13.1インチTFT、グラフィックスアクセラレーターにはカナダATIテクノロジーズ社の『3D RAGE LT PRO(4MB)』を採用。解像度は1024×768ドットで1677万色表示が可能。サイズは幅312×奥行262×高さ46.9mm。重さは約3.8kg。価格は47万円から、出荷は27日。

『270EX』。液晶ディスプレーが大きく感じられる 『270EX』。液晶ディスプレーが大きく感じられる



 『270VX』はCPUにモバイルCeleron 266MHzを搭載。メモリーは64MB(最大128MB)。HDDは6.4GB、液晶ディスプレーは13.3インチTFTと、12.1インチTFTの2種類が用意されている。グラフィックスアクセラレーターには米Chips & Technologies社の『69000(2MB)』を採用しており、解像度は13.1インチTFTの場合1024×768ドット(6万5536色)、12.1インチTFTの場合800×600ドット(26万色)。サイズは幅310×奥行245×高さ48mmで、重さは約3.7kg。価格は34万6000円より、出荷は27日。

『270VX』。写真では確認しにくいが、CD-ROMドライブは正面中央にある 『270VX』。写真では確認しにくいが、CD-ROMドライブは正面中央にある



ビジネス向けとコンシューマー向け開発グループを独立させる

 コンピューター事業本部、小高俊彦(おだかとしひこ)本部長は、同社のパソコン開発について、今までひとつだったビジネス向けとコンシューマー向けの開発部隊をそれぞれ独立させると発表した。

小高俊彦氏。「一度部署を統合したことが、結局失敗だったのか」と言う記者の質問に苦笑い 小高俊彦氏。「一度部署を統合したことが、結局失敗だったのか」と言う記者の質問に苦笑い



小高「ビジネス向けとコンシューマー向けパソコンの事業部を独立させ、それぞれに特化したパソコンの取り扱いを行なう。今後ビジネス向けパソコンは“情報グループ”内の“PC事業部”が行ない、コンシューマー向けパソコンは“情報メディアグループ”の“デジタルメディアシステム事業センタ”で行なう。この体制により、使用目的別に魅力ある商品提供ができると期待している。また、現在の初期不良率は0.8パーセントだが、これを0.5パーセントまで落とすことを目標とする。同時にBTO(Build To Order)やCTO(Configure To Order)の充実を図る」

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