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インプライズ、分散オブジェクト開発を支援する『inprise Application Server』を国内で発売

1999年01月21日 00時00分更新

文● 報道局 原武士

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 インプライズ(株)は20日、東京・笹塚サウスビルで、分散オブジェクトシステムの開発・運用・管理サポートする統合システム『Inprise Application Server』と『Inprise AppCenter』の国内販売と、同社の今後の製品開発についての記者発表会を行なった。

分散オブジェクト開発をサポート

 マーケティング部プロダクトマネージャの藤井等(ふじいひとし)氏は、同製品について、動作デモを交えながら紹介した。

マーケティング部プロダクトマネージャ、藤井等氏
マーケティング部プロダクトマネージャ、藤井等氏



 この製品は、CORBA(Common Object Request Broker Architecure)(*1)上に存在する資源を、プログラマーが素材の物理的位置を意識せずに簡単に利用できるようにするもの。また、一度作成したプログラムの素材を再利用目的で管理することで、次回のプログラム開発にかかる時間を軽減し開発必要な期間(ライフサイクル)を短縮させることを目的としている。

 藤井氏は、「製品のライフサイクルの減少に伴って、製品開発に割り当てられる時間も減少しています。迅速な開発を行なうためには作業の圧縮が不可欠です。オブジェクト指向を使って資産を再利用することで、開発工程を削減できます」と述べ、今後のアプリケーション開発に必要なのは無駄をなくし資源を再利用することであると強調した。

 『Inprise Application Server』は、開発環境である『JBuilder for Application Server』、管理機能とセキュリティー機能を搭載した『VisiBroker』、異なるアーキテクチャーを統合し、新テクノロジーと既存のシステムとのデータ転送を管理する『VisiBroker ITS』で構成される。また、『Inprise AppCenter』は、Application Serverと共に使いビジュアル的操作で複数のサーバーを管理を行なうもの。

AppCenterの実行画面ショット(Solaris環境)
AppCenterの実行画面ショット(Solaris環境)



 対応プラットフォームは、Solaris、Windows NT、HP-UX、AIX。対応クライアント環境は任意のウェブブラウザー、Java実行環境、Windows 95/98/NTなど。価格は、標準セットで『Inprise Application Server』が480万円(開発者2名とサーバー1CPUで利用する場合)、『Inprise AppCenter』が640万円(開発者2名とサーバーが2台、モニター2台で管理・運用する場合)。販売はいずれも2月15日に開始する。

分散エンタープライズアプリケーション開発が成長する

 取締役マーケティング部長、辻啓志(つじけいじ)氏は同社の今後のプロダクトリリースについての説明を行なった。

取締役マーケティング部長、辻啓志氏
取締役マーケティング部長、辻啓志氏



 同氏は「ここ2年間でインターネットが非常に進展した。TCP/IPをベースとした真のオープンシステムが完成しつつあるのではないだろうか。今後、企業はマーケットニーズに対応した戦略を立てていく必要がある」

「急成長するインターネットをベースとした、新しいビジネスチャンスを作るためには、過去の資産を再利用できるインターネット利用の分散オブジェクトコンピューティングが必要不可欠となるだろう。分散オブジェクトコンピューティングは、市場の変化に即応したアプリケーション開発を可能にする」

「アプリケーションサーバーの市場としては2001年には10億ドル(約1129億円)に達する見込み」とコメントし、今後、分散オブジェクトコンピューティングを実現するApprication Serverへの需要が増加する見解を述べた。

 そして、今後は、分散エンタープライズアプリケーションの開発・統合・配布・管理の全分野において、生産性の向上を支援する製品群の提供を推し進めていく意向である旨を発表した。

 また、同社が今後発表して行く予定の製品として『C++ Builder 4』『JBuilder 3』、『New Inprise Application Server』、『VisiBroker 4』、分散アプリケーション構築を支援するミドルウェア『Entera』、リレーショナルデータベース『InterBase 6.0』、Pascal言語をベースとするアプリケーション開発ツール『Delphi 5』というキーワードを発表した。

(*1)CORBA:WWWがドキュメントの共有を行なうのに対して、アプリケーションレベルでの共有を目的に、OMG(Object Management Group)により規定された標準規格。ORB(Object Request Broker)に依存せず、ネットワークに分散したプログラム部品を利用できる。

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