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【INTERVIEW】「@home network社とのマージは、強力なコンテンツと強力なインフラとの融合だ」--Excite社共同創業者ヨゼフ・クラウス氏

1999年01月21日 00時00分更新

文● KandaNewsNetwork 神田敏晶

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 @home network社が、Excite社を買収した。発表会場のパーティーで、Excite社共同創業者のヨゼフ・クラウス氏にインタビューした。聞き手は、“たった1人の放送局”Kanda- NewsNetworkの神田敏晶氏。

 米国時間1月19日、暗号とセキュリティー技術のコンファレンス“RSA '99”が開催中のシリコンバレー。ここでは、この期間どんな記事を発表をしても記事に取り上げられる確率が低いためか、各社ともニュースリリースは控えめであった。シリコンバレーの有力紙『サンノゼマーキュリー』の週はじめの1面を飾ったのはRSAではなく「@home to buy Excite」の記事であった。


@home network(アットホームネットワーク)は、CATVのインターネットサービスを提供する企業。network社は改修工事の中での出来事

 ルーサーキングデーの翌火曜日、総額67億ドルでの買収の発表とともにに、市場は大きく動いた。結果は、買われたExciteの株価が、42ドルアップの110ドル、買った@homeは、13ドルアップの115ドルとなった。


Exciteは総合検索エンジンのポータルサイト。

 発表当日、シリコンバレーはレッドウッドシティーのハイテクパークにあるExcite本社では盛大なビヤバーストが開催された。

 Excite社共同創業者のヨゼフ・クラウス(Joseph R. Kraus)氏にパーティー会場で聞いた。

Excite社共同創業者のヨゼフ・クラウス(Joseph R. KrausExcite社共同創業者のヨゼフ・クラウス(Joseph R. Kraus

)氏

--本日の買収は、"おめでとう"といわせていただいていいのでしょうか?

「もちろん!私たちも本当に喜んでいる。以前からご近所で関係の深かった@homenetwork社とのマージは、非常にエキサイティングで強力な関係になる。また、今回の取引きには重要なポイントがあった。コンテンツとインフラの融合なんだ」

「Exciteは、コンテンツとして毎月2,000万人のユーザーがさまざまなサービスを利用している。また@home network社は、19社もの北米のCATVとのネットワークを持っているプロバイダーであり、実際に6500万世帯にネットワーク化されている。それが本日、一緒になったわけだ」

--今回の取引きでの相互のメリットは?

「もちろん今回のジョイントは、消費者、広告主、株主にとってもよく、お互いの会社にとっても非常にいいサービスが提供できるアドバンテージとなった。それが、ワンサービス、オールバンド、オールデバイス--のサービスだ。Exciteの持つポータルサイトのワンサービスを、@home networkのケーブルモデムなどのブロードバウンドで提供できること。さらに、それがすべてのデバイスとしてPC、テレビ、携帯電話、ページャーなどいろんなところにサービスとして提供できるからだ。しかも、普段からパークの隣で仕事をしてきたから、企業文化も非常に似ている。今回の取引きは普段から隣でいつも仕事をしていて相互にメリットを感じていたからなんだ」

Excite社のパーティーの様子
Excite社のパーティーの様子



 Excite本社では夜の6時より、サーチライトを空にかざし、ロックバンドを呼んでの大パーティーとなった。買収という出来事の受け取り方が、日本での感じ方と、まったくちがう。より強力なパートナーシップと相互に補完できるサービス機能など、いい面、悪い面が率直に評価される。買収という名の企業の巨大化はますます拍車をかけていくことだろう。

創業時代からのガレージの扉がかざられていた創業時代からのガレージの扉がかざられていた



 シリコンバレーでの買収を、言葉の意味通りに取ってはいけない。米国経営者の強気の発言を鵜呑みにする必要も別にないが、日本での“買収”という言葉に漂う悲壮感を、米国に外挿するのはもっと大きな間違いのもとだ。

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