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【コンピュータ・FAコンポーネントフェアレポート】「FAもオープン化の時代へ」--業務機器の最新動向を紹介

1999年01月13日 00時00分更新

文● 報道局 原武士

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 (株)高木商会は12日と13日の2日間、東京・五反田TOCにて“'99年 第21回 コンピュータ・FAコンポーネントフェア”を開催する。これは、電子産業の工場や現場で使用される製品群の紹介を行なうというもの。

 年に1回開催されているこのフェアは、今年で21年目を迎える。ここ数年は、ネットワークによる、業務やデータの集中管理を目的とした製品や、環境問題を考えたものが増加傾向にあるという。今年は「21世紀のFA・OAネットワークをめざして」というテーマで行なわれた。

 展示されているものは、さまざまな大きさの液晶モニター、工事の作業効率を表示するランプ、電光掲示板、いろいろなスイッチ類、各種ケーブルなど、多種多様にわたっている。ここでは、展示されていた製品の中から一部を紹介する。

きれいなタッチパネルの秘密は波

 タッチパネル・システムズ(株)はタッチパネル内蔵ディスプレーや、液晶モニターを展示。これらの製品は、タッチパネルの表面に超音波を流し、指が触れた時の振動の減少で、画面上のどこを触ったかをセンサーで読み取る“超音波表面弾性波方式”を採用している。この方式を利用することで、従来のタッチパネルの課題であった耐久性や透明性の問題を解消できるという。また、波の減少具合を測ることで、画面への圧力を探知できるため、画像作成ツールへの応用などもできるという。コンピューターとの接続には通常のRGBポートとシリアルケーブルを使用する。

画面は15インチタッチパネル液晶モニター。指の圧力に対応して、線の太さが変わっているのがわかる
画面は15インチタッチパネル液晶モニター。指の圧力に対応して、線の太さが変わっているのがわかる



・タッチパネル・システムズ
 http://www.tps.co.jp/

画像データの需要も増えている

 (株)アドテックスは、IEEE1394規格に準拠する、ケーブル延長・中継装置『1394Cable Repeater』やHub『IEEE1394 Hub』を展示していた。ここ数年は3次元データや動画データの利用が増加しているという。

『IEEE1394 HUB』写真のものは8ポートのもの
『IEEE1394 HUB』写真のものは8ポートのもの



・アドテックス
 http://www.adtx.co.jp/

パソコンをかわいがってあげてください

 エスディエス(株)が展示していたのは、パソコンロッカー『まもる君』。これは、内部にパソコンを入れることで、防塵や温度調整を行ない、ホコリの多い工場内など、劣悪な環境下でのパソコンの利用を可能にするもの。Windows NTなどを採用した低価格なサーバーの増加にともなって、近年は出荷が増加傾向にあるという。昨年は年間で2000台を出荷したという。

『まもる君 CompactIII』『まもる君 CompactIII』



・エスディエス
 問い合わせ先:TEL.0120-74-1003

主催者にフェアの動向を聞く

 常務取締役システム技術担当、平井勝利(ひらいかつのり)氏と、専務取締役、横山浩司(よこやまこうじ)氏にFAコンポーネントフェアの近況と将来についてうかがった。

 

左:平井勝利氏。右:横山浩司氏左:平井勝利氏。右:横山浩司氏



----今年で21回目ということですが、最近の出展物の傾向はどういったものが見られますか

平井「最近はインターネットやイントラネットといったネットワークを利用して、多くの業務を一括して制御することを目的とする製品が増えています。単体での利用を目的とするものはほとんどなく、制御系と業務系が絡み合った製品が多く見受けられます。現状は、OAとFAがごちゃまぜになっていますね」

平井「Winodwsの普及に伴ってGUI(Graphical User Interface)を利用したアプリケーションも増え、特殊な技術がなくても多くのことができるようになってきました。また、利用されるデータも、ひとつのメーカーだけの仕様というものが減ってきて、どこのメーカーのどの製品と互換性があるというものがほとんどです。FAもオープン化の時代になったといえます」

----FA業界の今後の課題としては、何がありますか

横山「いろいろありますが、一番大きな課題というと規格が統一されていないことですね。伝票やデータの書式を統一することで、無駄なデータ変換作業がなくなります。情報を電子化して書式統一することで、伝票を手で書いて、それを提出して、更に取引先で別の伝票に書き写すなどという、無駄な作業を行なう必要もなくなるのです。こういった、統一されたデータで商取引を行なうEDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)を推し進めていく必要があるでしょう」

平井「インターネットを利用した製品の需要が増えいる今、日本国内だけでしか利用できないような製品は、生き残りが厳しくなってくるでしょうね。世界の中の日本といった観点での製品開発が必要です」

横山「今後は、統一コードを使用した、グローバルなデータベース製品が求められていくでしょう」

 フェアは142社もの企業が参加する大規模なものだった。入場は無料、FA機器だけでなくOA機器も数多く紹介されているので、業界の最新動向を知るために覗いてみるのも面白いだろう。

・高木商会
 http://www.takagishokai.co.jp/

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