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ジャストシステム、開銀からプロジェクト資金を融資へ

1998年12月28日 00時00分更新

文● 報道局 佐藤和彦

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 (株)ジャストシステムが、政府系金融機関の日本開発銀行(開銀)にプロジェクト資金の融資を依頼、'98年度中にも融資が実行される見通しであることが明らかになった。中小のベンチャー企業をのぞいて、大手のソフトウェアメーカーが開銀からの融資を受けるのは初めてのことという。融資金額は、十数億円程度になる見通し。

 ジャストシステムは、'97年10月に株式を店頭公開したものの、マイクロソフト(株)とのワープロソフトやオフィス製品における厳しいシェア争いや長引く景気低迷によって、業績が悪化。'98年3月期には52億円の当期赤字を計上、また、'99年3月期の業績見通しでも、19億円の赤字を予想している。

 開銀には、11月に経営再建中の日産自動車(株)が1000億円の資金繰り支援のための融資枠を設定している。ただ、ジャストシステムの場合は、資金繰りのための融資ではなく、新規のプロジェクト開発資金の融資のため、不動産や同社のソフトウェアを担保に設定することになるようだ。

浮川和宣ジャストシステム社長浮川和宣ジャストシステム社長



 浮川和宣ジャストシステム社長は、開銀からの融資に関して、「すべて下のものに任せているので詳しいことはわからないが、新規のプロジェクト開発のための前向きな資金調達であると聞いている」とコメントしている。

 ジャストシステムは9月末時点で約125億円の借入金があり、メインバンクの百十四銀行と準メインの阿波銀行は、これらの残高維持には応じているものの、新規融資を行なうことには慎重な姿勢をみせている。このような状況で、開銀から新規プロジェクトの融資を受けられることは、6月に発表したソニー(株)との提携に続き、ジャストシステムの経営安定に大きく寄与することになるだろう。

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