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オラクル佐野社長「WebTVとはビジネスモデルが違う」NCI戦略発表会で“情報家電”NCTVをアピール

1998年12月15日 00時00分更新

文● 報道局 佐々木千之

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 日本オラクル(株)は14日、東京・お台場のホテル日航東京で、米NCI社のミッチェル・カーツマン(Michell Kertzman)社長兼CEOを迎えて『NCI戦略発表会』を記者および関係者向けに開催した。

「NCTVこそが家庭に普及するインターネット端末だ」という日本オラクルの佐野社長 「NCTVこそが家庭に普及するインターネット端末だ」という日本オラクルの佐野社長



 この戦略発表会で挨拶した日本オラクルの佐野社長は、「用事を思い出し、外出先から自宅に電話をかけて、妻にWindowsパソコンを操作してくれるよう頼んだが、結局目的は達せられなかった」と、Windowsを中心とした現在のパソコンの操作の難しさを挙げた。そして、「これから、家庭でのインターネット利用をさらに促進するには、Windowsパソコンではだめ」とし、10月末からソフトウェアの出荷を開始した『NCTV』がそのソリューションであると紹介した。

「NCIはテクノロジーサプライヤーであり、コンテンツサービスはパートナーが行なう」とNCIのビジネスモデルを語るミッチェル・カーツマン社長兼CEO 「NCIはテクノロジーサプライヤーであり、コンテンツサービスはパートナーが行なう」とNCIのビジネスモデルを語るミッチェル・カーツマン社長兼CEO



 続いて講演した、カーツマン社長兼CEOは、「自宅のパソコンのCPUを最近高速なものにアップグレードしたが、特にこれといった変化はなく、メリットは享受できなかった。これはWintel主導によるコンピュータ革新が限界に来ていることを示している」と述べた。そして「NCIの使命は新しい時代に対するインターネットのソフトを作ることだ」とNCTVをアピールした。また、同氏は日本でのNCTVの普及見通しについて触れ、「日本の一般家庭においては、比較的高い収入を持つ反面パソコンの普及率は低く、このホームマーケットにおいてTVインターネット端末の普及には大きな期待をしている」と、抱負を述べた。

 NCTVの国内の販売実績については、NCTV用のソフトウェアライセンス販売が、発売後5週間で1万5000ユーザーを越え、順調な立ち上がりであるとしている。またNCI社は15日、日本電気(株)が運営するBIGLOBE用のセットトップボックス向けにソフトウェアを提供すると発表している。日本電気はこれにより、パソコン以外の機器を使ったインターネットサービスを’99年から開始するとしている。

 発表会の後の懇親会において佐野社長は、ASCII24の「TVを利用した情報家電というくくりで見た場合、NCTVとWebTVは競合でなく、共に市場を作る立場ではないか」との問いに対し、「NCTVは通信プロトコルをはじめとしてすべてインターネットのスタンダードな技術を使用している。またオラクル(NCI)が提供するのはサーバーソフトウェアとクライアント用のブラウザであって、ハードウェアやコンテンツについてはパートナーと協力しながら事業を進めている。WebTVのように、ハードウェアもソフトウェアもすべてマイクロソフト(WebTV)だけが独り占めというようなビジネスモデルとはまったく違う」と、パートナーと含めたビジネスモデルの違いを強調した。さらに「(WebTVが)多大な宣伝費を使って、TVインターネット端末のコマーシャルをしてくれているのはありがたい」と、店頭販売で苦戦していると伝えられるWebTVを牽制し、「最後はNCTVが取る」と自信を見せた。

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