オペル ジャパンは、今年で、5回目を迎えるグラフィック・マルチメディア作品のコンテスト、“オペルデザインコンテスト'98”を開催した。テーマは、オペル車の『ニューアストラ』、“OPEL
100周年”、“環境”のいずれかで作品が募集された。審査には勝井三雄氏(審査委員長)、遠藤享氏、戸田ツトム氏、河原敏文氏、向谷実氏、中島信也氏、小島照夫氏(オペルジャパン代表)の7名を迎え、ポスター作品、雑誌広告作品、デジタルムービー作品、ウェブ作品を含め、932点の応募作品の中から、優秀作品が選出された。
残念ながら、今年はグランプリ受賞作品は選出されなかったが、「年々、応募作品のレベルが上がってきている」と、審査委員長の勝井三雄氏は述べており、レベルの高い競争であったことは確かだ。「しかし、逆に言うと、この高いレベルの作品の中から傑出した作品が見つからなかった。今後、審査員を興奮させるような作品の出現に期待したい」と、今回のコンテストへの応募作品の問題点を述べ、今後への期待を同氏は付け加えた。
●主な受賞作品
オペル広告賞
テーマ「OPEL 100周年」 | ||||||||||
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環境賞
テーマ「環境」 | ||||||
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受賞作品は、いずれも完成度の高い作品だった。昨今のメッセージ性を主体とした車の広告の流れを踏まえて、シンプルな作りの作品が多かった印象を受ける。ただ、一方でインパクトの強いといった意味では、きれいで、あっさりといった印象を受ける作品が多く、「何これ?」「何か気になる」と感じさせる作品がなかった印象を受けた。
また、今年は別途“審査委員特別賞”を設け、以下の作品を評価している。
審査員特別賞
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●審査委員特別賞『リーゼント車』受賞について
「この作品の評価すべき点は、オリジナリティの強い表現力にあります。ただし、一見すると誤解されかねないメッセージ性も含まれています。しかし作者による制作の意図は“排ガスを吸い続けたリーゼント君があきれてどこへ向かうのか? オペルがそれを提示してくれると考え、あえて直接的な表現を加え、この作品をつくりました”となっています。つまり、否定しがたい事実をのり越えての環境へのメッセージがそこにはあります。
このコンテストの「環境」というテーマの公共的性格、特にオペルがこのテーマを取り上げる意義、またこのコンテストの新鋭クリエイターの発掘を主体としていることを考えますと、こういった作品への評価は、広く社会性のある立場においてオペルがアピールできるものです。その結果、審査委員による一致した評価としてこの作品に賞を与えることとなりました。
なお、この評価は、オペル社の評価基準および理念とは一切関係しないことをつけ加えさせていただきます」
来年も、同コンテストが開催されるとのことだが、来年こそはグランプリ受賞作品が選出されるのを期待したい。