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【SEMICON Japan98】半導体産業の最新動向を伝える展示会開催

1998年12月02日 00時00分更新

文● 報道局 原武士

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 東京・幕張メッセの全ホール(1~11ホール)を使用して、本日より4日まで3日間、半導体技術やFPD(フラットパネルディスプレイ)製造技術の展示会“SEMICON Japan98”が開催される。ここでは、その展示物の中からいくつかを紹介する。

SEMICON Japan98開催
SEMICON Japan98開催



前工程・部品

 1~6ホールでは、ウエハー(半導体を製作する際に使用される円盤状のトレイ)の洗浄や、ICの配置を行なうための装置などm、巨大な稼動部品から小型のモーターまでさまざまなものが展示されている。

 オリンパス販売(株)のブースでは、プログラムに従って動作するサーボモーターが展示されていた。独自のコントローラーから挙動をプログラムするものや、パソコンと接続して利用するものなどがあり、幅広い用途で利用できるという。

サーボモーター製品群
サーボモーター製品群



後工程・製品チェック

 ホール9~11では完成した半導体のチェックや管理を行なうための機械や、配線の確認を行なうための電子顕微鏡、作業現場で使用される標識などの展示が行なわれている。

 エレクトログラス(株)のブースでは光学式ウエハー検査装置『QuickSilver』の展示が行なわれていた。この製品は、ウエハーに配置される配線を光学式スキャナーで読み取り、その配線状の欠陥や、ゴミによる断線を画像認識により判別するもの。1時間で約40枚のウエハーを検査できる。米Knights Technology社の開発したデータ管理ソフトウェア『Yield Manager』、『Q-YIELD』と組みあわせることで、制作過程毎に発生する欠損などのデータを管理し、その要因を調査することができるという。





QuickSilverのモニター画面。赤い部分がエラー箇所

QuickSilver


 丸文(株)のブースでは、日本電気エンジニアリング(株)の『金型レス・リード成形機』が展示されていた。これは、半導体のリードと呼ばれる金属部分を金型を使わずに形を曲げるもの。従来は金型を半導体ごとに作り、その金型にあわせてリードを折り曲げていたものを、この機械を利用することにより、半導体の大きさに関わらず、設定を変更するだけで、半導体にあった形でリードの折り曲げができ、コスト削減につながるという。

金型レス・リード成形機
金型レス・リード成形機



 (株)ユニット販売のブースでは、工場現場で使用される“切断危険”や、“安全第一”と書かれた標識が展示されていた。

標識
標識



材料・運搬・クリーンルーム

 ホール7~8では、ウエハーの運搬に使用されるロボットアームや、洗浄に使用されるポンプ類、配管用のパイプ、クリーンルームで使用される手袋やスーツなどの展示が行なわれている。

 東洋リフトフリー(株)のブースでは、半導体の制作過程に利用されるクリーンルームで着用する全身を覆うスーツが展示されていた。スーツ内の微粒子を吸い出す“ギガステージ”と呼ばれる防塵システムを搭載しており、よりクリアな環境での作業がを提供するという。

ギガステージ搭載スーツギガステージ搭載スーツ



 現在、電化製品やコンピューターをはじめ、幅広く利用されている半導体。製品性能の向上は半導体製作技術の向上なしにはあり得ないと言っても過言ではない。現在の半導体産業の技術動向を知るために、この展示会に足を運んでみるのもおもしろいだろう。

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