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ロータス、『ドミノ サーバー R5』、『ドミノ デザイナー R5』のプレスブリーフィングを実施

1998年11月24日 00時00分更新

文● 報道局 桑本美鈴

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 ロータス(株)は、ドミノサーバーの新バージョン『ロータス ドミノ サーバー R5』およびドミノ用アプリケーション開発ツール『ロータス ドミノ デザイナー R5』に関するプレスブリーフィングを行なった。

 まず同社常務取締役戦略企画本部長の安田誠が挨拶し、「今後ロータスは、Webアプリケーションを効率的に構築するためにドミノをどうするかということろに重点をおき、インターネット標準技術を活用した次世代3層モデル(データ層、アプリケーション層、クライアント層)のTier2(第2層)としてドミノR5を位置づける。R5は、Tier2として提供すべき機能をより速く簡単に、さらにセキュリティを伴って実現できる統合環境」と語った。

 続いて、同社戦略企画本部部長の藤村厚夫氏が、同社の最新サーバー戦略について説明。「ドミノR5はWebアプリケーションサーバー。ビジネス環境の激しい動きに対応するには、アプリケーションサーバーを使ってシステムを拡張し、スピードを上げていくしかない。クライアントは軽量にして、ビジネスロジックはTier2に集約し、いろいろなデータストアへの接続性を提供することが必要であり、R5はこれらをWeb上で行なう。

 一方マイクロソフトは、Windows DNAが最適と言っているが、Windows DNAは2階層型システムと3階層型モデルの折衷である。例えばExchange ServerはTier2とWebでは同じアプリケーションが実行できない。また、ノーツと共存できると言っているが、セキュリティに難があるなどシステム管理者に負担を強いる。

 ロータスとしては、Webの標準技術をベースにしたシステムを提供する。これによりユーザーにとって選択の自由が拡大し、標準にのっとってすべて実現できる。

 これまでドミノはグループウェアと言われていた。グループウェアに対するユーザーの要求として、バックオフィスとフロントオフィスの融合/合理化、TCO削減、PCのほかPDA利用など多様なシステム展開などがあり、これらに答えなければならない。すべてはドミノR5を中核とし、Web上で実現する」

 製品説明は、同社戦略企画本部製品統括部次長の斎藤広一氏が行なった。始めにドミノ サーバー R5について「ドミノ サーバー R5には、“メッセージングサーバー”、“Webアプリケーションサーバー”、“TCO削減のための対応強化”の3ポイントがある」と説明。

 ドミノ サーバー R5では、すべてのメールメッセージをSMTP/MIME化し、ドミノ自身がメッセージングサーバーとなり、コネクターツールなどが必要なくなる。メッセージングサーバーに必要なすべてのプロトコル(POP3、IMAP4、SMTP、NNTP、ESMTP、SPAM)をサポート、またLDAP v3に対応し、ドミノサーバーがLDAPサーバーとなる。セキュリティ機能では、S/MIME、CDSA、X.509の認証書発行などに対応。他メッセージングシステムからのマイグレーション機能を搭載、既存のディレクトリ(アドレス帳)を指定できる。

 また、後述のドミノ デザイナー R5により、ノーツのアプリケーションとWebアプリケーションの区別がなくなるという。クラスタリング機能は、OSに依存しないクラスタリングが行なえるほか、Webブラウザーに対するクラスタリングが追加された。トランザクションログも新たに採用。また、NTやOS/2、UNIXなどさまざまなプラットフォームに対応する。

 技術面にフォーカスすると、HTMLにネイティブになり、HTMLデータをノーツフォーマットに変換せずに保管できる。またIISへ対応。ドミノはHTTPエンジンとWebアプリケーションエンジンを併せ持っているが、HTTPエンジン部分にマイクロソフトのIISを利用でき、ISAPI経由でIISとドミノを連携可能。

 Javaテクノロジーとの融合については、従来のJava実行環境、Javaアプレットの統合、Javaクラスの提供のほか、新たにJava/JavaScriptの開発環境を統合した。クライアント用ORB、サーバー用ORBなどCORBA/IIOPにも対応している。基幹システムとの連携として、DECS(Domino Enterprise Connection Service)を提供。バックエンドのRDBとリアルタイムに接続できる。

 管理クライアントはグラフィカルにできており、複数サーバーの一括管理が可能。サーバー間のクライアント移動などがドラッグ&ドロップで行なえる。そのほかパフォーマンスが向上、サーバー処理速度がアップしたほか、データベース容量が64GBまでとなり、100万ユーザーの登録も可能となった。ユーザー管理も集中化し、クライアント設定を管理者から一括で更新できるほか、クライアントソフトウェアの自動アップグレードも行なえる。

 ドミノ デザイナー R5は「“ノーツとWeb統合開発環境”、“オープンなWebアプリケーション開発環境”、“直感的な操作性”の3つがポイント」(齋藤氏)。ドミノ デザイナーでは、ノーツとWebの違いを意識せずにアプリケーションを開発できる。これはノーツクライアント自身がHTMLをサポートしているためで、ひとつのアプリケーション環境をつくればどちらでも利用可能となる。

 ドミノ デザイナー R5は、サイトマッピング、HTMLエディタなどの“サイトデザイン/レイアウトエディタ”、Java/JavaScript開発環境、基幹システムとの連携機能(DECS)などの“プログラミング環境”、プロジェクト履歴やリソース管理などの“プロジェクト管理”の3要素で構成されている。

 開発環境として、サイト設計が行なえる“アウトライン”、WYSIWYG HTMLエディター“ページ”、フレームを使用したパージを作成できる“フレームセット”、ノーツのユーザーインターフェースをJavaアプレット化して提供する“ドミノUIアプレット”、クライアントからの情報入力と参照が可能な“フォーム”、“ビュー”などの機能を搭載。

 ドミノ サーバー R5およびドミノ デザイナー R5は、米国では年内出荷、日本では'99年第1四半期出荷の予定。現在米国のNotes.netページでβ2が公開されている。

左から、安田誠常務取締役戦略企画本部長、藤村厚夫戦略企画本部部長、斎藤広一戦略企画本部製品統括部次長
左から、安田誠常務取締役戦略企画本部長、藤村厚夫戦略企画本部部長、斎藤広一戦略企画本部製品統括部次長

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