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日本AMD、ホームネットワーク分野に参入

1998年11月20日 00時00分更新

文● 報道局 植草健次郎

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 日本AMD(株)は、電話線を利用してパソコン同士や、パソコンと周辺機器を接続するためのコントローラーチップ『Am79C978 PCnet-Home』を発表した。これは、2芯の電話線を用いてパソコン同士や、パソコンと周辺機器のネットワークを構築しようというもので、家庭内の電話線網をそのまま利用し、モジュラージャックで手軽に接続できる。データの伝送に音声通話やADSLよりも高い周波数帯域を使用することで、音声通話と同時にデータ転送が可能という。家庭内ネットワーク製品の仕様策定を目的とした“HomePNA(Home PhonelineNetworking Alliance)”に準拠し、通信速度は1Mbpsを達成する。同チップは、電話線のほか、Ethernetインターフェースもサポートする。パッケージは160ピンPQFP。価格は1万個ロット時に1980円。12月に量産出荷の開始を予定している。



 家庭内ネットワークに関しては各社が活発な動きを見せている。HomePNAのような家庭内の有線ネットワークを策定するコンソーシアムや、無線による家庭内ネットワークの使用を策定するコンソーシアム“HomeRF”があるが、米インテル社や米スリーコム社、米AMD社、米ヒューレット・パッカード社、米コンパックコンピュータなどの企業はこの2つのコンソーシアム双方に参加している。ソニー(株)は、“iLINK”と名づけたIEEE 1394によりパソコンとAV機器を接続する方向を明らかにしている。このほか、電灯線を用いたネットワークなども提唱されている。

 多くの企業が家電のネットワーク化を進めているなか、AMDの同製品もその動きの1つと捉えることができる。1Mbpsという速度はパソコンを接続するために使用するには決して十分な速度とは言えないが、このような製品を発表する背景には自社の持つ技術を組み合わせて、パソコン用プロセッサー以外にも主力製品を持ちたいAMDの社内的な事情も伺える。

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