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ダイナラブ、紙文書をデジタル化するツール『DYNALAB Capture』を発売

1998年11月17日 00時00分更新

文● 報道局 清水久美子

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領域分割してから文字認識

 ダイナラブ・ジャパン(株)は、紙文書をデジタル化するパッケージソフトウェア『DYNALAB Capture そのままファイリング』を12月2日に発売する。価格は1万9800円。また、企業向けソフトとして『DYNALAB Capture エンタープライズ・エディション』を、キャプチャーサービスプロバイダー向けライセンスとして『DYNALAB Capture サービスライセンス』を、12月中旬に発売する。価格は24万8000円から。

 従来、紙文書でやりとりされていた業務マニュアル、契約書、伝票、帳票などをデジタル化して活用、保存できる。これにより、ウェブ検索や社内イントラネット、CD-ROM配布、オンデマンドプリントが可能になる。



 『DYNALAB Capture』は、画像としてスキャナーから取り込んだ文書を、レイアウトや図版はそのままで、文字部分のみをテキスト化するツール。画像部分とテキスト部分を領域認識した後、テキスト部分のみをOCR(光学式文字読み取り)処理して、文字認識する。OCRを使えば、紙の形の大量データを迅速に入力できる。また、2重レイヤー構造のPDF形式で出力したり、文字を修正したり、フォントの調整も可能。出力されたレイアウトはそのままで、テキスト部分において全文検索することもできる。

背景、画像、テキストを分離して出力

 独自のページ認識技術により、背景、画像、テキスト部分を多重レイヤー構造で認識、分離できる。従来のOCR処理のように、テキスト部分のみをはき出すのではないので、 各コンポーネントごとに解像度、色が調整できる。また、背景上の文字や、色の着いた文字もOCR処理で認識可能。

 OCR機能は、JIS非漢字、文字を含め計4029文字に対応。認識速度は、Pentiunm-200MHz使用時で毎秒320文字、Pentiunm-233MHz使用時で毎秒400文字。日本語のほか、英語、ドイツ語、フランス語など、計7カ国語をサポートしている。解像度400dpiでは99パーセント以上の認識を達成しているという。



 ファイル出力形式には、2重レイヤー方式と1レイヤー方式の2種類がある。前者では、スキャンしたオリジナル画像の後ろに、OCR認識したテキストを重ねる。後者では、選択したり、調整したりした画像とOCR認識したテキストをまとめて表示する。そのほか、RTF形式でワープロソフトに読み込ませたり、HTML形式で保存することで紙文書をそのままウェブで使用したりもできる。

 これらはバッチでの処理も可能。数十、数百といた大量の書類を扱う場合、バッチ処理をうまく使えば、取り込み、調整、OCR処理までは自動化し、文字の修正、ファイルの出力のみオペレーターが行なうといったやり方もできる。

 全文検索機能も備えている。ただし、見付かった文字部分だけを強調表示できるのは、プレビュー画面だけである。通常のテキスト上では、検索された文字も他の部分とまったく同じに表示される。

初年度売り上げ4億円を目指す

 ダイナラブ・ジャパンのフィシャー・リー社長は「25年間パソコンを使い続けて感じたことは、ハードウェア開発や、ソフトウェアアップグレードの速さである。その中で、自分に関わる情報だけは長い間必要になる。例えは、年賀状や、ポストカード、卒業名簿、名刺といったものだ。これらを保存し、有効に活用するためのツールとして『DYNALAB Capture』を使ってもらいたい」と述べた。

ダイナラブ・ジャパン フィシャー・リー社長
ダイナラブ・ジャパン フィシャー・リー社長



 また、同社Channel事業部長の三澤裕氏は「『DYNALAB Capture そのままファイリング』はエンドユーザーをターゲットとして年内で2000本、年間で2万~2万4000本の販売目標を目指す。また、『DYNALAB Capture エンタープライズ・エディション』は、企業や官公庁など紙文書の電子ファイリング、検索を急務とするユーザーをターゲットに、また『DYNALAB Capture サービスライセンス』は、出力センターや紙文書を保管するデジタルカイビング業者をターゲットとして販売する。販売目標はそれぞれ初年度2億円」

Channel事業部長 三澤裕氏
Channel事業部長 三澤裕氏



「『エンタープライズ・エディション』と『サービスライセンス』に関しては、これまでユーザーが使用していた他社の既存システムとの連携をとりながら、使いやすい形で提供したい。基本的なコンセプトを含め理解していただけるように、セミナーなども開催する」としている。

 対応OSは『そのままファイリング』がWindows 95/98、『エンタープライズ・エディション』と『サービスライセンス』がWindows NT3.51/4.0。'99年第1四半期には中国、その後米国での販売も予定している。

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