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【COMDEX/Fall'98】開幕前夜、ビル・ゲイツ氏が基調講演

1998年11月16日 00時00分更新

文● 報道局 佐藤和彦

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 米ネバダ州ラスベガスにて、16日から20日(現地時間)まで開催される“COMDEX/Fall'98”。その開幕前夜の15日午後7時に、米マイクロソフト社会長兼CEOのビル・ゲイツ氏が基調講演を行なった。

昨年の秋、今年の春と、COMDEXで開催されたゲイツ氏の基調講演では、マスコミ陣がゲイツ氏を撮影できる時間は冒頭の1分間のみに限定されていた。それが、今回は2分間と一挙に倍増。しかし、その2分が過ぎると、カメラマンたちは係員に容赦なく蹴散らされていた
昨年の秋、今年の春と、COMDEXで開催されたゲイツ氏の基調講演では、マスコミ陣がゲイツ氏を撮影できる時間は冒頭の1分間のみに限定されていた。それが、今回は2分間と一挙に倍増。しかし、その2分が過ぎると、カメラマンたちは係員に容赦なく蹴散らされていた



 講演の冒頭では、演題の両脇に設置されたスクリーンに、ゲイツ氏に似たキャラクターが登場したアニメ、顔の整形疑惑を報じた雑誌の表紙、パイをぶつけられた時の映像、司法省における公聴会の様子などが映し出された。これら、ゲイツ氏をおちょくったり、けなしたりした数々のアニメや雑誌、テレビのシーンが次々と流されると、場内は大爆笑につつまれた。

 今回の講演内容は、マイクロソフトのさまざまな製品や技術に関するデモンストレーションを次々と行なうというもの。なかでも、Windows CEのラインナップに加えられた“eBooks”が、今回の講演で示された新しいコンセプトであった。

 “eBooks”とは、HTMLをベースにし、ブラウザーを使って読む電子ブックのようなもの。ゲイツ氏は、「百科事典の『エンサイクロペディア』で、CD-ROMの販売数量が紙の事典を上回ったのは'94年のこと。電子書籍の売り上げは今後もいっそう伸びる」と指摘した。そして、“eBooks”のコンセプトを支える技術に、“ClearType”というフォント技術があると語った。



 写真右上のボックス内に示されているのが従来のフォント。拡大すると、曲線部分がギザギザになってしまう。一方、その下のClearTypeでは、真っ黒な部分とグラデーションのかかった部分を組み合わせることで、なめらかな曲線を表現している。拡大前の元の大きさで見た場合、ClearTypeのほうが活字に近い印象を与える。ClearTypeの効果は液晶ディスプレー上で、もっともハッキリ現われるという。



 また、『Office2000』も紹介され、1つのメールに複数の言語でメッセージを書きこむデモなどが行なわれた。

 講演の途中では、米Silicon Graphics社の副社長が壇上に登場し、Windows NTを搭載した『Visual Workstation』の紹介とデモを行なうという一幕もあった。

 このほかのデモでは、ビル・ゲイツ氏自身をネタにしたものが多かった。ゲイツ氏の顔の部分だけをはめ込んだ人物が、ユーモラスに踊ったり、はねたり、タップダンスを踊ったりし、そのたびに場内は笑いの渦につつまれた。ゲイツ氏も意外と人気があるなぁ、と実感した次第。ただ、講演内容自体には、新しいものはあまりになかった。そのためか、講演の終盤では席を立つ人が目立っていた。

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