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ロータス、ノーツR5およびドミノワークスペースR2.0に関するプレスブリーフィングを実施

1998年11月12日 00時00分更新

文● 報道局 桑本美鈴

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 ロータス(株)は、ノーツR5およびドミノワークスペースR2.0に関するプレスブリーフィングを行なった。

 9日付の米Wall Street Journal紙が、市場調査会社EMMS(エレクトロニック・メール・アンド・メッセージング・システム)が'98年第3四半期の電子メールシステム市場は、米ロータス社のNotesが340万ライセンス、米マイクロソフト社のExchangeが320万ライセンス販売され、NotesがExchangeから首位を奪還したと伝えている。

 また、マイクロソフト(株)が、1日付で大掛かりな営業組織の再編を行ない、Windows NT部門とExchange部門は事実上成毛真社長の直轄となったと一部で報道された。これはノーツなどの競合製品に対する宣戦布告とみられている。

 これらを受け、同社常務取締役戦略企画本部長の安田誠氏が“マイクロソフトからの挑戦に対する回答”という形でノーツR5の発表に向け語った。

常務取締役戦略企画本部長の安田誠氏
常務取締役戦略企画本部長の安田誠氏



 「海の向こうではNotesとExchangeの一騎打ちをやっている。Q1とQ2はExchangeがNotesを上回ったが、Q3にNotesが首位を奪還した。マイクロソフトは『Exchangeが優勢だ』とし、Notesのシェアを奪った、ロータスユーザーがExchangeに流れたと言っているがそうではなく、Exchangeユーザーの大半は既存のMSメールからの移行である。ExchangeのQ1とQ3の伸びはわずか3パーセントであり、伸び続けていると発表するのはどうかと思う」

 「一方Notesはというと、今年1月の米ロータス社プライベートショウ“LotusPhere”で『'98年は1200万シートが目標』と語ったが、現在四半期ごとに約300万の新規ユーザーを獲得しており、1200万を下回ることはまずないだろう」

 「日本国内では圧倒的なシェアを取得しており、現在の不況下でも昨年並の実績を達成できる見込み。マイクロソフトが本格的な攻撃を仕掛けてくるだろうと噂されているが、同じことが'96年にもあった。当時マイクロソフトが出したNotesR4とExchangeR4との比較広告に対し、ロータスが『誤った認識、情報で機能比較をした』と反論するといったことがあった」

 「よく『ノーツが2年間先行していた』と言われるが、そうではなく、Exchangeはノーツに2年前には勝てなかったというのが正解だろう。だが、2社の競争により、グループウェアや電子メールの認知度が高まり市場が伸びたのは喜ばしいことだ。今回は、技術やシステム環境、ユーザーの意識が当時と変わったことで、まったく違った競争になるだろう」

 また同氏は今後のノーツR5戦略について「クライアント、サーバーとも、かなり機能が追加されているので、技術ブリーフィングを増やす。マイクロソフトが提案するビジョンやアプローチとの比較について、われわれの見解を説明、主張や論点の違いを明確にしたい」としている。

 ノーツR5の現状については「現在米国でβ1が出ている。今週末くらいにβ2が出る予定。β2はユーザーインターフェースが大きく変わっており使いやすくなっている。製品版は日本では'99年2月か3月くらい」(安田氏)としている。

 続いて、同社戦略企画本部製品統括部課長の柳下剛利氏が『ドミノワークスペースR2.0』について説明。「ドミノワークスペースR1.0を発売したところ、ユーザーから、全社規模で展開するため既存のシステム環境と融合してほしいといった反響が多数あった。R2.0エンタープライズ対応版は、全社規模の運用を可能にする」としている。

戦略企画本部製品統括部課長の柳下剛利氏
戦略企画本部製品統括部課長の柳下剛利氏



 ドミノワークスペースR2.0は、レスポンスタイムが上がり、R1.0より15から20パーセントアップしているという。また、さまざまなクライアントをサポートする。

メイン画面
メイン画面



 また、新機能として“社員名簿”が追加された。漢字アドレス帳の名簿表示や検索、個人情報表示が可能。メールには、伝言メモの送信や、送信者アドレスの個人アドレス帳への登録、一括削除などの機能を搭載。スケジュール機能では、会議招集の返答や他人のスケジュール編集などが行なえるようになった。

社員名簿画面
社員名簿画面



 そのほか、会議室予約データベースの複数管理機能、ログアウト機能を搭載。移行ツールも重要視しており、DWSR1.0からの移行ツール、一括登録ツール、人事異動対応ツールなどを用意する。動作環境は、ドミノサーバーR4.6.2a以上。

 「既存のノーツユーザーとバッティングするのでは?」との質問には、「これまでノーツクライアントを全社に投入することに躊躇していたユーザーが、ブラウザーで利用できるドミノワークスペースを追加で入れるというように、ドミノワークスペースを利用して全社展開が促進されていくと考えている」(柳下氏)と回答している。

 今後の計画として、アプリケーションサーバープラットフォームに対応するほか、UNIXなどのサーバープラットフォームをサポートするという。発売日、価格などは11月19日に正式発表される。

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