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NTT DoCoMoが“Mobile Solution Forum'98”を開催

1998年11月11日 00時00分更新

文● 報道局 佐藤和彦

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 エヌ・ティ・ティ移動通信網(株)(NTT DoCoMo)は、携帯電話やPHSを使用したシステムをユーザー向けに紹介する“Mobile Solution Forum'98”を開催した。大星公司同社会長の基調講演のほか、携帯電話の新製品や、日本航空(株)が開発した“JALモバイルメール予約システム”の展示などが行なわれた。

大星公司NTT DoCoMo会長の基調講演



 大星公司NTT DoCoMo会長は、「'91年に、NTT本体からDoCoMoが分離したときには、携帯電話は全然売れませんでした。売れないのには、なにか理由があるだろうと調べたところ、携帯電話の売り方に問題があることがわかったんです。通常の電話と同じように新規加入料や保証金、月額の基本料など、初めにカネをとろうとばかりしていました。そこで、新規加入料や保証金をやめて、まず買いやすくしたんです。その後も、ドンドン使ってもらうために、計画を上回る利益が出た分は料金の値下げを行ないました。値下げも、年4回は行なうようにしたのです」と、携帯電話のビジネスでは、いかに使ってもらうかが重要であったかを述べた。

 そして、NTT DoCoMoが384Kbpsといった高速データ転送の実験を行なっていることについて触れ、「いろいろな人から、『そんな高速なデータ転送を実現して、何に使うのか』とよく聞かれます。しかし、私は、『何に使うかを考えるよりも、先にこうしたインフラを整備すれば、ユーザーのほうが、いろいろと使い道を考えてくれますよ』と答えるようにしています。携帯電話のようなインフラを整備する事業者は、そういうスタンスでやっていれば大丈夫だと思います」という持論を展開した。また同氏は、「PHSを使用した64Kbpsのデータ転送サービスは'98年度中に、W-CDMAは2000年度中にサービスを開始する」との見通しを明らかにした。

電子メールの送受信を行なえる携帯電話2製品を展示

 

蓋を閉じた状態(左)では携帯電話、開いた状態ではメール端末蓋を閉じた状態(左)では携帯電話、開いた状態ではメール端末



 シャープ(株)は、電子メールの送受信ができる携帯電話の新製品『SH601em』を展示。同製品は、13日に発売を予定している。カバーを閉じた状態では携帯電話、カバーを開いた状態では電子メール端末として使用できる。価格は4万円前後になるという。



 また、NTT DoCoMoも、電子メールの送受信が行なえる携帯電話『MOEM-D』を展示していた。こちらは、三菱電機(株)からOEM供給されているもので、すでに発売中。価格は7万1000円。2製品とも、“ショートメールサービス”、“10円メール”、“NIFTY SERVEメール”、およびNIFTY SERVEを介してのメール送受信が行なえる。

NTT DoCoMoが、PHSで64Kbpsのデータ送信を行なうシステムを展示



 NTT DoCoMoは、PHSを使用して、64Kbpsでデータ送信を行なうシステムを展示していた。通常のPHSでは、1つの回線を使用して32Kbpsのデータ送信を行なうが、このシステムでは2つの回線を使用して2倍のデータ転送速度を実現している。'98年度中には、サービスを開始する計画という。現在のPHSの基地局は、1つで3つの回線しか使用できないが、このシステムを実現するために、基地局の多チャンネル化を進めている段階という。

日本航空(株)が、“JALモバイルメール予約システム”を展示



 日本航空(株)は、NTT DoCoMoのメールサーバーシステム『VALUE-MAIL』を使用した“JALモバイルメール予約システム”を展示していた。同システムは、携帯電話を使用してノートパソコンなどから日本航空のチケット予約センターにアクセスして、飛行機の空席情報の確認や、予約を行なうことができるというもの。メールサーバーシステム『VALUE-MAIL』は、一度に大量のデータを送受信できるため、こうしたシステムの構築が可能になったという。なお、“JALモバイルメール予約システム”の利用にあたっては、日本航空のホームページから専用ソフトをダウンロードする必要がある。

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