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アップルコンピュータ、ネットワーク関連2製品『AppleShare IP 6.1』、『Appleネットワークアシスタント 3.5』を発売

1998年11月10日 00時00分更新

文● 千葉英寿、報道局 清水久美子

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 アップルコンピュータ(株)は、サーバー構築用ソフトウェア『AppleShare IP 6.1』とMacintosh用ネットワーク管理ソフト『Appleネットワークアシスタント 3.5』を11月下旬に発売すると発表した。いずれもビジネスに必要なネットワーク関連製品であり、同時に発表した(株)大塚商会との提携もあわせ、アップルコンピュータは、本格的な法人向けビジネスをスタートさせることになる。

総合型サーバー構築用ソフトウェア『AppleShare IP 6.1』



 『AppleShare IP 6.1』は、ファイルサーバー、プリントサーバー、メールサーバー、FTPサーバー、ウェブサーバーの機能を搭載した総合型のサーバー構築用ソフトウェア。ネットワークにおけるデータ転送効率を向上しており、Windows NT Server 4.0とのベンチマーク比較では、対NT比で最大3倍というパフォーマンスを記録していると発表している。

 新機能として、メールサーバーでIMAPプロトコルをサポートするようになった。これにより、メールをサーバーに置いたままで管理ができる。このため、オフィス内とモバイルといった複数クライアント環境での別々のアクセスにおいても、メールを常に同じ環境で読み書きすることが可能になる。メールをクライアントに読み込んでから、たとえば未読、既読の処理をするソフトでは、執務の途中でモバイルからデスクトップに利用マシンを切り換えるとき、そうした情報が引き渡せなかった。

“ApleShare IP Managerコンソール”から、『AppleShare IP 6.1』のサービスをすべてコントロールできる
“ApleShare IP Managerコンソール”から、『AppleShare IP 6.1』のサービスをすべてコントロールできる



 ウェブサーバー機能では、1台のサーバーに複数のドメイン名を割り振れるマルチドメインに対応。プリントサーバーでは、従来のAppleTalkのほか、TCP/IPによる接続も可能で、MacintoshとWindowsとでプリンターが共有できる。

 また、Windowsのファイル共有プロトコルであるSMBをサポートしているので、Windowsクライアントは、WindowsNT Serverにアクセスするのと同じ要領で、『AppleShare』のファイルサーバーを利用できる。同時接続クライアント数が最大500ユーザーまで拡大されたため、大規模な環境にも対応できる。

 さらにファイアウォール機能においては、ファイルサーバー、メールサーバーなどのサービスごとに、アクセスできるクライアントをIPアドレスによって制限する機能を標準装備した。これにより、インターネットからの不正なユーザーの侵入が防げる。また、メールサーバーで、ホストリストの定義を可能にしたので、最近問題となっている“スパム”メールの排除が可能となった。

 サーバー環境は次のとおり。対応OSはMac OS 8.5(製品に付属)、CPUはPower PC G3、もしくは、Power PC 604e、604、601を搭載するPower Macintosh、Macintosh G3 Server、Workgroup Serverシリーズ、メモリーは64MB以上、HDDの空きは100MB以上必要。価格は、10クライアントで5万9000円、50クライアントで11万8000円、制限なしのUnlimitedクライアントで16万8000円。また、12月初旬からは、バージョン4.X以降のユーザーに対してバージョンアップサービスを開始する。

 同社では、『AppleShare IP 6.1』は先月17日に発売された『Mac OS 8.5』のほか、『Power G3』に最適化したソフトウェア製品だという。販売ターゲットに企業のワークグループ、SOHOでのネットワーク管理、DTP環境などにおける複数マシンの使用者などを挙げている。大塚商会との提携が同時に発表されたことを考えると、本格的な法人向けビジネスへ乗り出す気配が強い。

Macintosh用ネットワーク管理ソフト『Appleネットワークアシスタント 3.5』



 『Appleネットワークアシスタント 3.5』は、プロトコルとしてTCP/IPとAppleTalkに対応、Macintosh環境に特化したネットワーク管理ソフト。米国ですでに3年前より教育市場向けに発売されていた『Apple Network Assistant』の日本語版で、国内では初の販売となる。

 ネットワーク上にあるMacintoshに関するハードウェア、ソフトウェアに関する詳細を一括して参照、管理ができる。TCP/IPに対応することで、ローカルのネットワークに直接つながっていない状態でも、インターネットを通じてクライアントを管理することを可能にした。

1度に4台までの画面を表示し、数秒間隔で次の画面を表示できる
1度に4台までの画面を表示し、数秒間隔で次の画面を表示できる



 ユーザー間のファイル転送もできる。管理者はユーザーの情報を自分のディスプレーで確認、変更できるので、パソコンルームのサーバーメンテナンスが容易になるという。

 サーバー環境としては次のとおり。CPUは、68040または、Power PCを搭載したMacintosh、OSはMac OS 7.6.1以上が必要。最大クライアント数は250台。価格は10クライアントで4万8000円。

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