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神奈川インターパブリッシング協会がセミナーを開催~One to one:インターネット時代の超マーケティング~

1998年11月02日 00時00分更新

文● 報道局 横田雅美

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 10月29日、横浜市・岩崎学園で“One to one:インターネット時代の超マーケティング”と題して、KIP(神奈川インターパブリッシング協会)がセミナーを開催した。

 KIP副会長の井出和明氏が講演した。同氏の著書『One to one:インターネット時代の超マーケティング』に基づいた講演である。消費不況の理由や今までのマスマーケットを対象にインターネット上で“ワントゥーワン”を成功させている企業などについて述べた。

インターネットに慇懃さは似合わない

 同氏によれば、もはや誰もが買うという時代ではないし、実はインターネットこそが“ワントゥーワン”マーケティングに向いた市場なのだという。すでに、マスマーケティングは終焉を迎えているとも語った。

 通信販売などのダイレクトマーケティングで、今まで日本が失敗してきたのは、データベースの活用法や利便性を無視したマーケティングを続けてきたからだという。この種のマーケティングはリピートマーケットであり、それを重視する必要があると語った。マスマーケットを対象にインターネット上で“ワントゥーワン”を成功させている企業をみると、顧客との“リレーション”や“データベース”、“CS(Customer Service あるいはCustomer Satisfaction)”を有効的に使っているという。また、インターネットに不適切な“慇懃(いんぎん)さ”に気をつけなければならない点も重要とのこと。

 インターネット上の“ワントゥーワン”を成立させるには、顧客の固定的・動的な情報(データ)を細かく収集することが大切だと指摘。そして、コンテンツはその顧客だけのために送られるべきであると述べた。データベースをまとめ、各々の情報をマッチングさせることが一種の“ワントゥーワン”ソリューションであるという。

 現在、ゲートウェイ2000やデルをはじめとするBTO(Built To Order)方式がはやっていて、これは“ワントゥーワン”のバックヤード(後方実行部隊)として重要だという。また、インターネット上の書店であるアマゾン・ドット・コムでは、関連サイトとの広告バナー提携で収入を得、また、そこで書籍を売ってもいる。

自分用のたった1つの時計を作る

 国内の例では、シチズン時計(株)がホームページで“マイクリエーション”という“ワントゥーワン”マーケティングを実行している。CD-ROMを配り、その中の画像で顧客が気に入ったものを組み合わせ、選んでホームページから注文するというもの。1000個程度の注文を予想していたが、いきなり月9000個の注文があった。

 こうした手法を使うと“ワントゥーワン”によるメールのやり取りなどで顧客データが次々に得られる。このため、新たにビジネスプランの設計、ビジネスツールの作成、データベースの構築・変更などが重要になってくる。またビジネスなのだから、拡張したり、相互運用性を持たせたりすることも必要だと述べた。ビジネスが拡大すればwebサーバーが増え、データウェアハウスが必要になることも予測される。

 これからは、“ワントゥーワン”マーケティングの代行業が出てくるのではないかと同氏は予測する。また、小規模なパソコン環境で“ワントゥーワン”マーケティングが実現する時代が来るとも述べた。

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