微小機械の技術、部品、応用製品を展示する“第9回
マイクロマシン展”が東京・千代田区の科学技術館で開幕した。会期は30日まで。77社が出展した。ここでは同展示会のうち、“マイクロマシンが創る健康と医療の未来”と題するテーマ展示を取り上げる。
このテーマ展示では、微小機械によりいかに患者の負担を軽くできるかに焦点が当てられている。たとえば、大仰な手術を省くためには、内視鏡やカテーテルの径を細くすること、またこれらの持つ治療機能を向上させることが求められる。
テルモ(株)は、2.8μm波長のレーザー光が照射できるマイクロレーザー付きワイヤーを展示。血管に通し、動脈瘤などを切除するというものだ。オリンパス光学工業(株)も臓器の硬さなどを検出できる触覚センサー付きワイヤーなどを展示していた。これらのワイヤーはいずれも1mm径前後である。
テルモの内視鏡 |
そのほかでは、(株)アイシン・コスモス研究所が、糖尿病患者にインシュリンを注入するときなどに利用する“微量輸液システム”を展示した。点滴や注射の負担をできるだけ軽減するもので、きわめて微細な針から液体を体内に注入できる。また(株)デンソーは、将来的な話として、体内にマイクロセンサーを埋め込み、患者の血圧や脈拍、血糖値などを無線データ通信技術で病院に伝えられるシステムの参考展示をしていた。
右下に見える丸い物体がマイクロセンサー。電力をマイクロ波で供給できるようにしたいという |
デンソーは、レンズの凹凸を調節することで焦点が変えられる老眼鏡も、将来的に開発したいという。写真は、前後の物体にそれぞれ焦点を合わせている様子 |
セイコーインスツルメンツの脈拍計測用リストコンピューター『PULSE GRAP』。価格は3万8000円 |