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IP取引の世界拠点“VCX”、スコットランドで発足

1998年10月26日 00時00分更新

文● 報道局 浅野広明

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 世界における半導体産業の拠点として、スコットランド開発公社主導で建設を進めているアルバセンターは、センター内にIP(Intellectual Property)を効率的に取引するための産業組織“VCX(Virtual Component eXchange)”を発足した、と発表した。アルバセンターでは現在、システムレベルインテグレーションやシステム・オン・チップをメインテーマに据えた研究機関、教育機関などを建設中だが、このVCXにより、同センターを各国の半導体企業が集結しIPを取引する拠点としても推進していく。

 ICやLSIの機能ブロックを荷うハードウェア資産およびソフトウェア資産がIPであるが、ここで言うVC(Virtual Component)は、そのうちのソフトウェア資産を指している。VCXは、各国の企業が単一の法律やインフラでVCを扱うための取引所として発足した。これにより、半導体チップの開発期間の短縮、開発コストの削減が図れるとしている。VCXの具体的な業務内容としては、VCを統合的に管理することによる、各チップに最適なVCの検索、使用ライセンスの契約業務、問題が生じた場合の争議処理などが検討されている。

 VCX発足に当たって、VCXを運営、統括するワーキンググループへの参加企業も発表された。列記すると、米ケイデンス・デザインシステムズ社、英Integrated Silicon Systems社、英アーム(ARM)社、米メンター・グラフィックス社、米モトローラ社、米フェニックス・テクノロジー社、独シーメンス社、台湾セミコンダクター・マニュファクチャアリング社、(株)東芝の計9社。これらからなるワーキンググループは、今後のVCXのサービスモデルについて討議し、'99年第2四半期には業務の一部を開始、'99年末までにフルサービスを提供したいとしている。

 発足後3年間はスコットランド開発公社からも運営資金が出資される予定だが、アルバセンターのJim McRoberts氏は、「その後は半導体業界が運営資金を100パーセント出資してくれれば」と述べている。

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