SEYBOLD Seminars Tokyo/Publishing 98開催2日目の本日、スポンサー・セッションとして、『Adobe
Illustrator 8.0 日本語版』のデビューカンファレンス“Adobe Illustrator
Day”が行なわれた。
まずアドビシステムズ(株)のプロダクトマーケティングマネージャー伊藤哲也氏が挨拶。「Illustrator
8.0は、原点に返り、ユーザーのためにどういう機能を搭載すればいいかという基本的なことを重視しました。また、直感的な操作方法も考慮しています。いままでの操作を1ステップ、または少数のステップで行なえることは、初心者だけでなくプロフェッショナルユーザーにとっても大きなメリットです。以上の主な2つを重要ポイントとしてデザインしました」
プロダクトマーケティングマネージャーの伊藤哲也氏 |
続いて、Illustorator 8.0の新機能全般を、同社公認トレーナーの長谷川賢治氏が説明した。最初に、写真データを取り込んだ後、トレースし、鉛筆ツールによるトレースラインの修正を披露。「鉛筆ツールというと使えないというイメージがあるかもしれませんが、Illustrator
8.0の鉛筆ツールを使うとベジェ曲線の修正が簡単にできます」
公認トレーナーの長谷川賢治氏 |
また、ブレンドツールを使ったブレンド後の修正をデモ。「ライブブレンドなので、ブレンド後に色や画像の位置を変えても、自動的に修正されます」
続いてブラシの説明。「ブラシツールも、アートブラシやパターンブラシを始め、いろいろなブラシがあります。パターンはIllustratorで作成したもので、自分で新規に作成することも可能です。これも鉛筆ツール、消しゴムツールで修正できます」
そのほか、ひとつのオブジェクトに複数のグラデーション効果をつけらるグラデーションメッシュツール、スポイトツールを使った文字属性の変更などをデモ。会場いっぱいの来場者の反応はよく、熱心に耳を傾けていたようだ。来場者のひとりは「鉛筆ツールで、変更したい新しい線をすっと書くだけで、パスの形状を修正できるのがいいですね。いままでは変更箇所を拡大して、パスをひとつひとつ修正していたから」と語っていた。
続いてIllustrator 8.0の応用方法をデザイナーの海津宜則氏がデモ。海津氏が実際に制作された“魚”や“人魚”といった作品をモチーフに説明が行なわれた。「あらかじめ作っっておいたグラデーションを活かして、それにさらにグラデーションメッシュをかけています。グラデーションメッシュで、グラデーションを分割・拡張できるのです。グラデーションメッシュは旋回ツールが使えるので、動きのあるグラデーション効果が作れます」「のっぺりした感じになりがちなドローでも、グラデーションメッシュを応用することで、立体的な感じに作れます」
デザイナー海津宜則氏の作品を使ったデモ |
また、「グラデーションメッシュはアンカーポイントのかたまりなので、全体にメッシュをかけるのではなく、部分部分にかけたほうが、データ量が少なくてすみます」といった、TIPS的な説明も。「多分これからIllustrator
8.0に関するいろいろな本が出てくると思いますが、みんなTIPSのかたまりになるでしょう」
「ブラシツールはタブレットに対応しているので、筆圧を感知します。この人魚の髪の毛などは、ブラシツールとタブレットを組み合わせて書いています」と作品制作の種明かしもしてくれた。
さてIllustratorといえばヴィーナスのパッケージデザインでおなじみだ。Illustrator
8.0のデザインについて伊藤氏は、「ロゴはクラシカルなデザインになりました。これは8.0のコンセプトである、初心に返ろうということを表しています。ヴィーナスは、7.0がぽってりしたイメージだったので、8.0では少しシェイプアップしました。ただ、相変わらずあごが割れている。本社に『トラボルタみたいなのでやめてくれ』と言ったのですが、『これだけはゆずれない』と断られました」と説明、笑いをとっていた。
Illustrator 8.0のパッケージ |
セッション終了後、アンケートに答えた来場者には、Illustrator 8.0(英語版)の体験版を収録したCD-ROMが配布された。この体験版CD-RMは、会場内の同社ブースでもアンケート回答者に提供されている。
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