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日本IBM、2D/3D/グラフィックス向けワークステーション新製品などを発表

1998年10月19日 00時00分更新

文● 報道局 白神貴司

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 日本アイ・ビー・エム(株)は14日、ワークステーション群への新製品の投入を発表した。64bitRISCプロセッサー『POWER3 200MHz』を搭載したUNIXワークステーション『RS/6000 43Pモデル260』やPentium II Xeon-450MHz搭載のWindows NTワークステーション『IntelliStation Z Pro』など、計5機種6モデルの追加となる。

 UNIXワークステーション『RS/6000 43P モデル260』には、64bitRISCプロセッサー『POWER3 200MHz』が搭載されている。従来の汎用プロセッサー『PowerPC 6xx』シリーズと科学技術計算用の『POWER2 SuperChip』の技術を統合。8個の演算ユニットにより、メモリーバンド幅は毎秒6.5GB。現段階ではシリコンウエハー内部にアルミ配線を採用(0.25μm:CMOS 6S2テクノロジー)している。同社では'99年末をめどに、銅配線技術(0.2μm:CMOS 7Sテクノロジー)とともに、アルミ配線に比べ約1/3の消費電力のSOI(Silicon-on-insulator)を採用するという。



 RS/6000 43Pモデル260はSMP対応で、メモリーは4GBまで、HDDは27.3GBまでそれぞれ増設できる。最大32倍速CD-ROMドライブを搭載し、今回同時に発表されたグラフィックスアダプター『GXT3000P』(OpenGL、graPHICS APIをサポート。23日出荷開始予定:価格は127万5000円)搭載時で“OpenGL”のベンチマークテスト“CDRS-03”において218.17を達成したという。OSはAIX V4.3.2。デスクサイドタイプの筐体カラーは、これまでの同シリーズの基調カラーであったホワイトから、ブラックに変更されている。幅340×奥行き713×高さ610mmで、重量は約36.2kg。価格は323万円で、23日に出荷開始予定。グラフィックボード、ディスプレーはオプション。低消費電力のPOWER3を搭載したモデル260は、同クラスの他社製品に比べて最大約60パーセントの発熱量を削減したという。

 UNIXワークステーションには『RS/6000 43Pモデル150』も追加された。これは従来の『モデル140』の上位機種で、CPUにPowerPC 604e-375MHzを搭載し、メモリーが最大1GB、HDDは最大27.3GBまで設置可能。最大32倍速CD-ROMドライブを装備する。モデル260同様、GXT3000Pの搭載が可能。OSはAIX V4.3.2。デスクトップタイプの筐体カラーは、モデル260同様ブラック。サイズは幅420×奥行き460×高さ165mm。重量は約14.5kg。グラフィックボード、ディスプレーはオプション。価格は199万9000円。

 同社では、今後さらに発熱量や消費電力をおさえる技術開発を行なう方針で、パフォーマンス、将来性とともに、エコロジーをキーワードとしていくという。
 2D/3Dグラフィックス用のWindows NTワークステーション『IntelliStation』シリーズには、Pentium II Xeon-450MHz搭載の『IntelliStation Z Pro』、Pentium II-450MHz搭載の『同M Pro』と『同E Pro』の3機種。M Proには、『41J』と『44J』の2モデルがある。



 ハイエンドモデルのZ ProはSMP対応で、CPUにPentium II Xeon-450MHzを最大2個搭載可能。グラフィックボードは米インターグラフ社の『Intence 3D Pro3400』を採用。3Dグラフィックの処理速度の向上を図っている。チップセットはIntel 440GX。ECC対応のSDRAMを256MB(最大2GBまで増設可能)、毎分1万回転のUltra2 SCSI対応のHDDを9.1GB、最大32倍速CD-ROMドライブを搭載。Windows NT4.0がプレインストールされている。タワー型筐体はブラックカラーで、サイズは幅200×奥行き445×高さ492mmで、重量は20.5kg。11月10日出荷開始予定で、価格は148万円。

 ミドルエンドモデルM Proは、Z Proと同様にグラフィックボードにIntence 3D Pro3400を採用し、3Dグラフィックスに特化したモデル『44J』と、グラフィックボードにカナダのMatrox Graphics社製でAGP対応の『Millennium G200』を搭載した2Dグラフィック向けのモデル『41J』の2モデルがある。44Jは、オプションでインターグラフ社の『Intense 3D 3400GA(ジオメトリ・アクセラレーター)の搭載が可能。両モデルともSMP対応によりPentium II-450MHzを2個搭載可能で、チップセットはIntel 440BX、ECC対応のSDRAMを128MB(最大1GBまで増設可能)、最大32倍速CD-ROMドライブを搭載する。44JがUltra Wide SCSI対応の9.1GB、41JがATA-33対応の10.1GBをそれぞれ搭載する(いずれも毎分7200回転)。Windows NT4.0プレインストール。タワー型筐体はZ Pro同様ブラックカラーで、サイズは幅200×奥行き445×高さ492mmで、重量は17.3kg。14日に出荷を開始しており、価格は44Jが118万円。41Jが63万8000円。

 対価格性能比を考慮したエントリーモデルのE Proは、Pentium II-450MHz、チップセットは440BX、グラフィックボードはMillennium G200、メモリーはECC対応の128MB SDRAM、ATA-33対応(毎分7200回転)のHDDを10.1GB、32倍速CD-ROMドライブ搭載という構成で、価格は54万8000円。Windows NT4.0がプレインストールされる。14日に出荷を開始している

 Z、M、Eの各モデルとも、ディスプレーはオプション。システム管理者が遠隔操作で電源を操作できるWake on LAN機能に対応したIntel82558をオンボードで装備するほか、システム異常の発生と同時に管理者へ通知するAlert on LAN機能などを標準で搭載する。同シリーズは今後、PC、RS/6000シリーズなどの開発陣との連携も含めた製品開発を行なうという。

 この日、同社はAIXの最新バージョン『AIX V4.3.2』も発表した。RS/6000 43Pモデル260など、最新のモデルをサポートするほか、既存のAIX V4アプリケーションとのバイナリー互換や、西暦2000年問題に対応するなどの機能が強化されている。単体での販売は行なわれない。11月6日に提供開始の予定。

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