(株)Tooは、14~16日、“デジタルソリューション'98 2nd Stage
東京”を東京・青山の“機械産業記念館TEPIA”で開催した。“‘デジタルのプラスα’「今」の環境を「ベスト」にするノウハウ、Tooからの提案”をテーマにした、デザイン、プリプレス、印刷分野の総合プライベート展示会となった。
オートデスクの3次元機能をアピール
会場は、“DTP/制作”、“デジタルメディア”、“グラフッィクスデザイン”の3つのコーナーに分かれている。“DTP/制作”コーナーでは、アメリカの4Sightが開発したシステムを組み込んだ『4-Sight iSDN Manager & Cumulus CGI連携システム』を出展。印刷用画像など重いデータでも、専用のターミナルアダプターを利用することで、例えば10MB16分の速度で転送できる。価格は『iSDN Manager』が24万8000円から。『iSDN Manager』とその廉価版(廉価版の方はCumulusとの連携ができない)とを合わせて、現在印刷会社、デザイン事務所などを中心に800社以上、導入されているという。
『iSDN Manager』のブース |
画像データベースソフトの『Cumulus』のうち、Webで画像を検索してからダウンロードするといったことが可能な『CGI連携』機能を備えた版は12万8000円から。なお、『iSDN
Manager』と『Cumulus CGI連携システム』とを組み合わせて導入している実績があるが、ユーザー名はまだ公表していない。
導入企業の一社である(株)TBSブリタニカの佐田徹氏は、同システムの採用理由について「『iSDN
Manager』の利用することで、わが社で発行している『Newsweek日本語版』は、米国オリジナル版とタイムラグ2日を実現。これは製版用のフィルムなど、米国本社と日本のTBSブリタニカ編集部間で必要なデータ量だけを転送できるため。伝送効率、システムの信頼度も納得のいくものだし、またコストも従来の数億円に比べ半減した」とコメントしている。
“デジタルメディア”コーナーでは、オートデスク(株)の『3D
Studio MAX R2.5』を出展。7月に発売され、『3D Studio MAX』との連携が図れるビジュアルエフェクトソフトウェア『Effect
Ver』、『Paint Ver』も出展されていた。『Effect Ver』は、3次元レイヤー機能があるため、実写とCGの合成を行なう際に有効だという。
『3D Studio MAX R2.5』ゾーン |
“グラフッィクスデザイン”コーナーでは、『Adobe Photoshop 5.0』、『QuarkXPress
4.0』、『GoLive CyberStudio 3.0』などが展示されていた。これらソフトを利用する体験教室も開催された。
11月発売予定の『Adobe Illustrator 8.0』も展示 |
『QuarkXPress 4.0』エクステンションなどのデモンストレーションも実施された |
また、Too販売推進部、カスタマーサービス部による“WindowsによるDTPの現状”をテーマにしたセミナーを開催した。『Windows
98』や『QuarkXPress 4.0』Windows版の登場でDTPを取り巻く環境は大きく変化していると力説していた。
まず、Windows DTPを“ビジネスDTP”、“プロフェッショナルDTP”に分類。“ビジネスDTP”は主に企業において、報告書やプレゼンテーション資料などのデータベース化を進める要となっている。Windows
DTPが社内資産としてのデータを、有効活用できる“ワンソース・マルチユース”につながることを紹介した。
一方で、“プロフェッショナルDTP”はこれまでMacintosh DTPの独壇場であったことを説明。PostScriptへの対応も含め、Macintoshはまだ優勢だという。ただ、Windowsでも出力機器といったハードウェア、ネットワーク環境さえ整えば、可能性は広がるだろうとした。
最後に、マイクロソフト(株)が『QuarkXPress』を意識した製品を作ったり、一方でアドビシステムズ(株)も、拡張子を付けずにWindows上でファイルを開ける製品を発売している。こうした変化によるDTP業界の再編成から、目は離せないと強調した。