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世界情報サービス産業機構、OECD会合で世界の情報通信技術市場の動向を発表

1998年10月09日 00時00分更新

文● 報道局 横田雅美

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 (社)情報サービス産業協会、米情報技術協会(ITAA)など世界32カ国の情報技術業界団体で組織する世界情報サービス産業機構(WITSA)はカナダ、オタワで開催されたOECD(経済開発協力機構)会議で、「デジタル・プラネット:グローバル情報経済」と題した調査レポートを発表。情報技術(IT)に関する報告である。

 WITSAの事務理事、ハリス・ミラー(Harris Miller)氏は、「ITは1兆8000億ドルの世界最大の市場であり、そして情報経済が世界のGDPの6パーセントに当たる」と強調した。

 これは、世界の情報技術への支出と経済的影響についての調査である。情報技術業界が2兆ドルを超える規模となり、かつ世界の国民総生産(GDP)よりも速い増加率で成長していること、情報通信技術(ICT)の支出の増加に伴いGDPが成長していることが報告された。また、経済状況の悪化に関わらず、ICTへの支出は変わらないとも告げられた。

 同調査では、'97年度、ICTに米国は6430億ドル、日本は3170憶ドルの支出をしている。両国を合わせると世界市場の53パーセントになるという。そして3位から5位まで、ドイツ(1190億ドル)、英国(1020億ドル)、フランス(910億ドル)がほぼ横ばいで続く。欧州では上記3国が、イタリア(500億ドル)やスペイン(230億ドル)を大きく上回っている。

 日本を除くアジア太平洋地域では、過去5年間のICT市場の成長が14.5パーセント以上で、最も大きな成長率である。ラテンアメリカがそれよりも少し低く13.6パーセント、西欧は3.5パーセントと、最も低い成長であった。これは低調な経済成長とドルの高騰、欧州通貨の変動などの影響が考えられるという。

 現在、世界の家庭や教育現場へのパソコン設置数は、'92年の3500万台から'97年末の1億1800万台へと増加している。アジア太平洋地域では、家庭や教育現場へのパソコン設置数が、80パーセントの成長を遂げている。

 ベトナム、中国、コロンビア、ブラジル、香港の5ヵ国は、世界でも急速に成長しているITの市場である。特にベトナムのIT支出は、50カ国中47位であるが、過去5年間においては、ICTの支出は44パーセント増加している。また、中国はICT市場の10位以内に入っており、成長率は28.5パーセントであった。通信への支出は、'92年から'97年の間に、43億ドルから188億ドルへと4倍にもなっている。

 米国のインターネットホスト数は1530万で、2位の日本やドイツの15倍だという。ホスト数で続いて上位に入るのは英国とカナダである。

 ワールドワイドウェブ(WWW)利用者は、過去5年間に調査した半数以上の国で毎年100パーセントを上回る増加を遂げている。また今年末までには1億人に達し、さらに2002年には3億2000万人になると予想された。家庭の電話回線からのアクセス利用者は毎年5000万人増加しているとも報告された。なお、電話回線数では、シンガポールが1家庭当たり、1.25回線と世界一で、台湾、韓国、イスラエル、スウェーデンと続く。

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