このページの本文へ

米Cobalt Networks、日本法人を設立

1998年10月07日 00時00分更新

文● 風穴 江

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 米コバルト・ネットワークス社は、同社の日本法人として、同社が100パーセント出資するコバルト・ネットワークス(株)を設立すると発表した。社長には、日本ネットスケープ・コミュニケーションズ(株)の設立にも参画し、最後にはストラテジック・パートナー本部長を務めた北島弘氏が就任する。

日本法人コバルト・ネットワークス(株)の社長に就任する北島弘氏
日本法人コバルト・ネットワークス(株)の社長に就任する北島弘氏



 当初は北島社長1人でのスタートとなるが、年内には4、5人体制にまで人員を拡張するとしている。Cobaltシリーズの販売はすべて代理店を通じて行なわれ、直接のユーザーサポートも代理店が提供することになるという。

 コバルト・ネットワークスは、“Thin Server(シンサーバ)”や“Micro Server(マイクロサーバ)”などと呼ばれる新しいオールインワンインターネットサーバ『Cobaltシリーズ』で知られるメーカーで、米国で『Cobalt Cube』を発売して以来、その目を惹くブルーの立方体デザインなどもあって、急速に注目を集めている。

鮮やかなブルーが目を惹く『Cobalt Qube』
鮮やかなブルーが目を惹く『Cobalt Qube』



 Cobalt Cubeは、幅184mm×奥行き184mm×高さ197mmの立方体状の筐体に、150MHz駆動のMIPS R5000系互換プロセッサーを搭載し、OSとして、独自に移植したLinuxがプレインストールされている。ユーザーは、ACアダプターを接続した後、背面のパネルでIPアドレスなどを設定(DHCPでも可能)するだけで、オールインワンのインターネットサーバーを稼働させることができる。日本でも販売されている『Cobalt Qube 2700WG』(日本版は設定ツールなどが日本語化され、型番は『2700J』)は、16MBまたは32MBのメモリ、2.1GBまたは6.4GBのハードディスクを搭載し、標準で、Webサーバー(Apache、Perl)、SMTPサーバー(sendmail)、POPサーバー(qpopper)、IMAP4サーバー(imap4)、DNS(bind)、NFS、SMBファイル共有(SAMBA)、AppleShare(Netatalk)などのサーバー機能を提供することができる。そして、これらの各種設定は、すべてWebブラウザーから行なえるようになっているのが大きな特徴となっている。

 今回の設立記者会見のために来日した同社の社長兼CEO、Stephen DeWitt(スティーブン・デウィット)氏は、ベースOSにLinuxを採用したことについて「一番の理由は堅牢性と開発の容易さ。オープンソースという点ではFreeBSDなどの選択肢もあったが、私たちが使ってきた経験もあって、最終的にLinuxを選んだ」と語った。またCPUにはMIPS R5000互換のQuantum Effect Design製RM5230を採用しているが、これについては「まず消費電力を低く抑えるという観点からCPUを選択した。このCPUはパフォーマンスもよく、StrongARMなどに比べてもコストが安く抑えられる」としている。

米コバルトネットワークス社の社長兼CEOのスティーブン・デウィット氏 米コバルトネットワークス社の社長兼CEOのスティーブン・デウィット氏



 今回の日本法人の設立発表と同時に、新しい製品ラインアップとして、ラックマウント対応のCobaltサーバ『Cobalt RaQ-J』と、Qubeのハードウェアをベースにしたインターネットキャッシュシステム「CacheQube/CacheRaQ」の2シリーズも発表された。

 RaQ-Jは、幅432mm×奥行き318mm×高さ45mmという、19インチラックマウントに40台を収納可能な筐体を採用したオールインワンインターネットサーバーで、Webホスティングなどのサービスを提供するインターネットサービスプロバイダー向けの製品。SNMPに対応するほか、オプションでSSLのサポートも可能となっている。発売は11月で、価格はオープン(おおよそ20万円から30万円前後になる見込み)。

ラックマウント対応のオールインワンサーバ『Cobalt RaQ』
ラックマウント対応のオールインワンサーバ『Cobalt RaQ』



 CacheQube/CacheRaQは、HTTP、FTP、Gopher、DNSなどのキャッシュを行なうインターネットキャッシュサーバーで、CacheQubeがQubeの、CacheRaQがRaQの筐体をそれぞれ採用している。トラフィックに応じて、手軽に複数台のクラスタ構成にする“InstaCache Cluster機能”も用意されている。価格はオープンで、日本では第4四半期に提供される予定。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン